完全な穴馬？東芝サプライズ社長人事の裏　西田会長と佐々木社長の確執、消去法で選出…

　東芝のある大物OBは「田中氏が登用されたのは、犬猿の2人が見いだした妥協の産物」と指摘する。田中氏は、一見、会長に留まった西田人脈での登用にも映るが、「社内では佐々木社長の分身と言われている」（現・東芝部長）。社内の会議では、佐々木氏の意を汲んだような発言を率先して繰り返しており、佐々木氏とも「ツーカーの仲」という。実際、佐々木氏も社長交代会見で「役員の中で、一緒に一番仕事をしやすい」と田中氏を評した。　

　佐々木氏は、自分の意を汲んでくれて西田氏とも近い田中氏を推し、西田氏もかつての手下の田中氏ならと着地点を見いだしたのが、今回のサプライズ人事の真相だろう。
（文＝江田晃一／経済ジャーナリスト）