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なぜ東洋経済オンラインは4カ月でビジネス誌系サイトNo.1になれた?編集長に聞く

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佐々木 ウェブメディアは、アドネットワークで収入を得ているパターンが多いと思いますが、単価が高くないですよね。しかし、それも大事な収益源としつつ、記事を面白くすることで記事広告の価値を高めることをやっていきたいですね。そのあたりは、日経ビジネスオンラインを見習いたい。

「ウェブメディアは儲からない」といわれますが、ビジネス系のメディアは比較的恵まれているのではないでしょうか。なぜなら、基本的にプレーヤーが少ないですよね。例えば、うち以外ではダイヤモンドさん、日経さん、もちろんBusiness Journalさんと、数えるくらいしかない。また、B to Bの企業がウェブ空間に広告を出す場所が少ない中では、ビジネス系のメディアが受け皿になるしかない。ですから、広告に関してはまだまだ伸ばせる余地があると思います。

●カギは有料化

–短期間でビジネス誌系サイトではNo.1のPVになりましたが、今後の展開はどのように考えていますか?

佐々木 PVではNo.1になりましたが、今後は質の面でもNo.1を目指します。PV、質ともにNo.1を目指し、維持していく。その上でうまく収益化や新しいビジネスモデルを見つけていきたい。

 カギとなるのは、やはり有料化です。今、アメリカでは、「メーター制」と呼ばれる課金方法がスタンダードになりつつあります。例えば、ニューヨークタイムズの場合、月10本までは無料で記事を読めるのですが、それ以上読むには、有料会員(PCとスマホで月15ドル)になる必要があります。このやり方であれば、ヘビーユーザーにだけ課金する形になりますので、ライトユーザーのPVを失わなくてすみます。

 また、検索エンジンやSNS経由であれば、記事をいくらでもタダで読めますので、記事の拡散力を保てます。「PVと収益の二兎を追うモデル」として、とてもうまくできています。日本では、まだ本格的なメーター制は存在しませんが、ぜひここにもトライしたいと思っています。

 中長期的には一部の記事を英語化し、アジア市場に出て、アジア一のビジネスメディアになることも視野に入れたい。と言っても、明確なプランはないのですが、あえて掲げておくことが重要かなと(笑)。

 もう少し足元を見ると、コンテンツをつくる上でのビジョンが3つあります。1つ目は、「ジャーナリズムとエンターテイメント」です。現状、東洋経済はジャーナリズムの側面が強いので、先日の『ユニクロ 疲弊する職場』のような記事が書けると考えています。

–『ユニクロ〜』は面白い記事でした。無骨なジャーナリズムというか。

佐々木 他の媒体では広告主を気にして、本当に編集部がやりたい記事を掲載できないということを耳にしますが、東洋経済ではそういったことはありません。私自身、入社以来一度もそういったことを言われたことはないですね。このジャーナリズム魂のような部分は、我社の誇るべきところです。

 ただ、そのジャーナリズムの側面にどのようにエンタメの側面を足して読者に読んでいただくか。いくら良い記事でも読んでいただかないとメディアとして意味がありませんので、東洋経済オンラインでは、雑誌の東洋経済本誌では採用しないようなタイトルや企画を取り入れ、読者に読んでもらおうと編集部で話し合っています。

 2つ目は「自由」です。例えば、安倍政権に対し、東洋経済オンラインでは親・安倍政権でも反・安倍政権でも両方のポジションでレベルの高い記事を乗せて、判断は読者に委ねています。我々は特定のポジションを取るのではなく、さまざまな考え方の記事を掲載します。

 そして3つ目は「ハイエンド」です。偉そうな言い方をすると、どんどんコンテンツを大衆化し、レベルを落とし多くの読者に読んでいただくのではなく、レベルの高いものを多くの方に読んでいただくのがポリシーです。これは、日本人は知的レベルが平均的に高いと思うからです。たとえば、「ハーバード白熱教室」が話題になりましたが、これだけ流行る国はそうそうありません。

●どれだけ質の高い記事を提供していけるのか

–例えば難しい話題でも、多くの読者に理解してもらえるよう、どのように見せて、提供するかが重要ということでしょうか?

BusinessJournal編集部

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