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高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情

文=萩原雄太
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高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情の画像1「叙々苑」で水を注文すると出てくるペットボトル水(500ml、600円)

「水1杯で800円!?」

 そんな驚きの声を日本中にこだまさせたイタリアン料理シェフ・川越達也氏の炎上騒動。そもそもこの騒動は、同氏がシェフを務めるイタリアン料理店に関する「食べログ」の書き込みに、同氏が月刊誌「サイゾー」(サイゾー/6月号)に掲載された記事上で、次のように反論したことが発端だった。

「僕の店も『水だけで800円も取られた』と非難されることがある。でも、当たり前だよ! いい水出してるんだもん。1000円や1500円取るお店だってありますよ。そういうお店に行ったことがないから『800円取られた』という感覚になるんですよ」

 さらに、「人を年収で判断してはいけないと思いますが」と前置きしながら「年収300万円、400万円の人が高級店に行って批判を書き込むこともあると思うんです」とコメントしたことが反感を買い、川越氏は自身のブログ上で「具体的な数字を出してしまったことで、皆様に誤解を与えてしまったことに関しまして、心より反省しております」と釈明した。

 そもそも、この騒動がここまで拡大した理由は、店側が「有料であることを知らせずに」水を提供したということの是非。しかし、それ以上に、高級レストランに行き慣れていない人間にとって、「水800円」はインパクトのある金額だった。

 だが、ほかの高級レストランの“水事情”を調べてみると、川越氏の言う通り800円なんてかわいいもの。ホテルニューオータニのイタリアンレストラン「マーレ ディ オータニ」では、水のドンペリとの異名を持つ「シャテルドン」が750mlで2310円というからビックリ。そして、パークハイアット東京の「ピークラウンジ」では、おなじみのエビアンが750mlで1700円……。レストランではないものの「世界一高価なミネラルウォーター」という触れ込みで販売されている裏磐梯の「五色水」という水のお値段は、6リットルで1万6800円。どうやら、飲料水の世界は奥深いようだ……。

 高級レストランで提供する水は、サービスや雰囲気といった価格も上乗せされているはず。きっと注ぎ方だって一流なのだろう。そんなサービスへの対価が含まれているなら、やむを得ない。

 しかし、高級焼き肉チェーンとして知られる「叙々苑」でミネラルウォーターを頼んだところ、500mlのペットボトルに入れられた水が「ドン」とテーブルに置かれ、なんとそのお値段は600円。

高級焼き肉・叙々苑、ペットボトル水が600円?川越シェフ炎上騒動に見る“水”事情の画像2「叙々苑」のメニュー表。水のお値段はコーヒー(300円)の2倍。

 このペットボトル水。銘柄は「金城の華 純天然のアルカリイオン水」。島根県金城町産、花崗岩の地層を通り、天然のミネラル成分を豊富に含んだミネラルウォーターだ。2011、12年にはモンドセレクション最高金賞も受賞している。

 叙々苑本社に問い合わせてみたところ、「グラスに注いでしまうとどのような水なのかがお客様にわかりづらいと思い、ペットボトルでラベルが付いたまま提供しているんです」と担当者。そもそもこのミネラルウォーターが、瓶で販売されておらず、ペットボトルでの提供スタイルになっているそうだ。ただ、裏を返せば「普通の水との味の違いはわかりづらい」と言っているようにも聞こえる。「コーラやウーロン茶などですと180ccで提供しています。『金城の華』の場合、量が500mlと多いので、妥当な値段ではないでしょうか」と担当者は説明した。

 やはり「600円払えば牛丼2杯食べられる」という価値観の人間は、分不相応な高級レストランではなく、水も無料で提供されるファミレスに行ったほうが、無駄なストレスなく美味しい食事が楽しめるだろう。その意味で、川越氏の“年収300〜400万円発言”は正しいのかもしれない。
(文=萩原雄太)

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