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知られざるブライダル業界、ウェディングプランナーという仕事の魅力と苦労とは?

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大川戸 逆ですね。同年代のお客様は、列席回数が増えてきている頃ですから、いろんな経験、知識があります。みなさん、「ああいうことをしたい」「ああいうことはしたくない」と目に見えるものをイメージして、多くの要望が出てきますが、結婚式で重要なのは「なんのためにするのか」「どんな思いを伝えたいのか」ということ。いざ結婚式の打ち合わせを進めていくと、そういった本質が見えなくなってしまうんです。結婚式を通じて、親類や友人とのつながりや絆を見いだしてほしい。プランナーとしては、しっかりと伝えていきたい部分ですね。

–年間に、どれくらいの数の結婚式を担当されるのでしょうか?

大川戸 経験などによる個人差はありますが、平均すると月10組くらいですので、年間120組程度。秋などの人気シーズンは結婚式も多くなります。今年の9〜11月は、毎月13組程度の結婚式を担当します。

–繁忙期は、忙しくて家に帰れないほどになってしまうのでしょうか?

大川戸 打ち合わせも多くなり、勤務時間も長くなりますが、極力オフの時間を設けるようにしています。そうしないと、ずっと仕事モードになってしまいます。

 何年か前に、本当に忙しく、一日中ずっと仕事のことを考え続けていて、プライベートの時間も仕事のことを考えている日々が続きました。そうすると、あまりいい表現ではないんですが、心が廃れていってしまうように感じてしまったんです。ちょうどその頃に結婚をしたのですが、無理矢理にでも家事をやらなきゃならない状態が生まれました。そうすると、オンとオフのバランスがとれるようになる。家事をすることで、頭を切り替えることができたんです。

–仕事と家庭を両立させることで、バランスが保てるんですね。

大川戸 主人が手伝ってくれて、なんとか成り立っているので、両立なんて全然できていませんが……(苦笑)。

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–大川戸さんは、入社3年目のバリバリ働いている中で結婚を迎えられました。結婚生活に対する戸惑いはなかったでしょうか?

大川戸 結婚する前は実家暮らしだったので、どうなるんだろうと心配でした。当時は、オフィス内にも結婚しながらバリバリ仕事をしている人が少なく、仕事と家庭を両立させる像が見えなかったので、そういった面でも不安はありました。けれども、「とりあえずやってみよう」と飛び込んだところ、主人の協力があればプランナーの仕事を続けられることがわかりました。むしろ、家庭が息抜きの場所としていい効果をもたらしていますね。

●ウェディングプランナーとして、報われた瞬間

–これまで手がけた中で、いちばん印象深い結婚式は、どのようなものでしょうか?

大川戸 わりと最近のことになるんですが、今年の3月に担当したお客様の挙式が、私のプランナー人生を変えるような結婚式でした。

 30代前半のご新郎ご新婦だったんですが、初回の打ち合わせに、ご新婦のお母様と3人でいらっしゃいました。ご来館された時点で、ご新婦が泣いた後のような表情をされていらっしゃり、3人の様子が何やら険悪なムードでした。ひとまず打ち合わせを進めていったんですが、どうもみなさまの顔が曇っているため、これ以上話してもよくないと感じ、その打ち合わせをひとまず終わりにしようと思ったんです。すると、それまで黙っていたご新婦が「ちょっといいですか」と2時間くらいノンストップでお話をされました。

 泣きながらご新婦が話してくれた内容が「両親と離れるのが寂しい」「両親の籍から抜けてしまうのは本当にいいことなのか」といったことでした。話を聞いているうちに、両親と姉妹がいて、犬を飼っていたというご新婦の家庭環境が、我が家とすごく似ていることに気づいたんです。私も、結婚する前は、両親から離れることや、姓が変わることにナイーブになりました。

BusinessJournal編集部

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