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アベノミクス…株で儲けた人など皆無?「投資は投資信託だけでいい」と断言するワケ

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アベノミクス…株で儲けた人など皆無?「投資は投資信託だけでいい」と断言するワケの画像1『投資は、投資信託だけでいい』(著:小山 信康/刊:彩図社)
 アベノミクスで日経平均株価も急上昇。つい1年前には低迷していた株式相場がウソのようだ。「株を買っておけばよかった」と後悔している人もいることだろう。

 実際、どれくらいの人が儲かっているのだろうか?

 「儲かっている人は、ほとんどいません。今、投資をしているのは、昔から投資を続けている人たちが中心です。アベノミクスで儲かったというよりも、これまでの損失を穴埋めしただけ、というのが実際です」

 そう答えるのは、『投資は、投資信託だけでいい』(彩図社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの小山信康氏。

●株式に投資を集中させる日本人

 そもそも、日本人の投資下手は世界的に有名な話。友人の儲け自慢が長続きしないのも、うなずける。ところで、どうして日本人は投資が苦手なのだろうか?

 「投資をしている人の資産配分を確認すると、かなり株式に偏っている人が多くなっています。対して欧米の人たちは、不動産や金などにも分散投資しています。特に顕著な差が債券。日本人の傾向として、債券を活用している人が少ない点が挙げられます」(小山氏)

 債券で有名なのが国債。ギリシャが経済危機に陥り、2010年ごろから国債が実質的なデフォルト(破たん)状態になった。借金大国の日本国債だって危なくないのか?

 「債券は借用証書みたいなものですから、財政が破たんすれば日本の国債で大損する恐れがあります。ただ、ここまで国債の価格は上がり続けてきました。『国債バブル』なんて呼ばれた時期もあるんですよ」(同)

●投資信託だけでいいという理由

 儲かりそうだと思ったものだけを狙って、集中的に投資すると失敗してしまう。

 「大切なのは、分散して投資することです。例えば、競馬の馬券収入のみで生活している人がいます。彼らは、分散投資しているから儲け続けることができるんです。『大本命に一点買い』ではリスクが高くなるので、本命から穴狙いまで馬券を散らします。また、複数のレースに分けて購入することで、予想が当たる確率を高める工夫をしています。同じように、投資も株式や債券、金など複数の投資資産に分け、また積立のように投資のタイミングを分散する工夫も必要なのです」(同)

 言い換えると、単一的な投資対象へ一気に投資することは、「ギャンブルに等しい」(同)らしい。

 投資する対象を分けることの必要性はわかったが、プロに丸投げする投資信託ではなく、自分で株式や債券を買ったほうが手数料も安く、その分、利益が出るはず。なぜ小山氏は「投資信託だけでいい」というのか?

 「結局、情報を集めるのが大変なんです。上場企業だけでも何千社もありますし、債券だって数えきれないほどの種類があります。いちいち自分で選ぶのは大変ですから、ちょっと手数料を払ってプロに任せたほうが賢いんです。自分で株を買うのは、荷物を届けるのに宅配便を使わず、北海道まで自分で運んでいくようなものですよ」(同)

 確かに、投資のプロである運用会社・ファンドマネージャーに任せると、手数料はかかるが、手間や時間がかからない。手数料と時間、運用のうまさ等を比較して、投資の手段を比較・検討してみたいところだ。
(文=尾藤克之)

●尾藤克之(びとう・かつゆき)
東京都出身。経営コンサルタント。代議士秘書、大手コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。人間の内面にフォーカスしたEQ メソッド導入に定評。リスクマネジメント協会「正会員認定資格HCRM」監修、ツヴァイ「結婚EQ診断」監修等の実績あり。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ新書)など多数。

BusinessJournal編集部

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