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シェフ出張サービス、秘かにブーム〜自宅で手間なく低価格&プロの料理を楽しめる

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シェフ出張サービス、秘かにブーム〜自宅で手間なく低価格&プロの料理を楽しめるの画像1「Thinkstock」より
 フルタイムで働く女性や共働き夫婦の増加、“家ナカ”志向の強まりなどを受け、ここ最近、外食の代わりシェフが自宅などに出張して食事を提供するサービス、「シェフ出張サービス」が人気を呼んでいるという。

 これまでもホテルオークラをはじめとする一流ホテルが提供するケータリングサービスや、老舗寿司店が一部の馴染み客宅へ出向いて料理を提供するかたちは存在したが、いずれも高額な料金のため、一部の富裕層や企業などの利用に限られていた。

 一方、最近増えているシェフ出張サービスは、一人数千円レベルから利用可能なものが主流で、一般的なレストランなどで食事をする際とほぼ変わらない値段で利用できるのが特徴だ。また、食材の調達から準備、そして後片付けまでの一切を引き受けてくれる点も、日々忙しい利用者から好評を得ている理由のひとつといえよう。

 例えば、他社に先駆け2000年という早い時期に同分野に参入した「きまぐれや」は、個人や企業、婚礼、野外パーティーなど幅広いシチュエーションで、これまで計1200件以上の実績を持っている。基本的にメニューや利用形態は、個々のお客からの「こんなところでこんな予算で、こんな雰囲気のことをしたい」というリクエストに応えるかたちを取っているが、例えば3〜5名利用のフルコース・ディナーの場合、目安として合計4万円から可能となっており、メニューも前菜盛り合わせから始まり、ポタージュ、パスタ、メインディッシュ、ドルチェ、パン2種とレストランのフルコースと遜色ないラインナップとなっている。

 そんな出張シェフサービスの分野で、一人3000円からという低価格と、イタリアンからフレンチ、和食、マクロビ料理まで幅広いジャンルの料理を提供することで人気を集めている「マイシェフ」代表取締役社長・清水昌浩氏に、出張シェフサービス利用増の背景や低価格を実現するビジネスモデル、人気の秘訣などについて聞いた。

–出張シェフサービスのニーズが増えている背景について教えてください。

清水昌浩氏(以下、清水) 出張シェフというサービスは以前からありましたが、これまでは富裕層向けのサービスがメインでした。私どものサービスは、一般の出張シェフサービスの2分の1から3分の1くらいの価格帯にして、育児中の母親やワーキングマザーの方でも、気軽にご利用いただけるようにしたところ、非常に高い評価をいただくことができました。

–確材料費込みで一人あたり3000~5000円でシェフの本格的な料理が食べられるとすると、かなりリーズナブルという気がしますが、なぜそこまで値段を下げることができたのでしょうか?

清水 そもそも私はIT業界出身で、飲食業出身ではありません。そのため価格システムを大きく見直すことで、飲食業の方からすると非常識なコスト構造やプロセスをつくることができたのではないかと思います。

 コストダウンの一番の要因は、シェフたちと業務委託の契約を結んでいるからです。彼らは普段、レストランの厨房に立っていたり、料理教室の講師をしています。そうしたシェフたちの休みの時間、空いている時間に効率良く仕事をしてもらうことができるので、固定費を減らし、低価格を実現することができました。

–お客を女性限定にしている理由はなんでしょうか?

清水 このサービスは、個人が個人の自宅を訪ねる、というものです。そしてシェフの中には女性もおりますので、見知らぬお宅で仕事をするという、ある意味リスクもあるサービスといえるでしょう。このリスクを減らし、女性のシェフにも安心して活躍してもらえるように、申し訳ないのですが申込者は女性に限定させていただいております。ただ、女性の方に申し込んでいただけるのでしたら、男性と一緒に食事をする、などということもできます。

–今後の課題などありましたら教えてください。

清水 まずはシェフの確保ですね。現在、当サービスに登録してもらっているシェフは40名弱。この数が数千人単位になれば、さらに大きなビジネスにすることができます。一方で、急激に数が増えると提供するクオリティを確保する必要もあるので、急激に拡大させることが難しいというのが今の悩みですね。

–ありがとうございました。

 現在、外食は一般化し、当たり前となっているが、プロのシェフがつくる本格的な料理を食べたい場合は、消費者が飲食店に出向くというのが今の常識だが、最近では「中食」や「デリバリー」利用者の広がりが示すように、「自宅での食事」に消費者の志向が回帰している傾向も見られる。

 そうした中で、シェフ出張サービスが人気を呼んでいるのは必然的なことといえるのかもしれず、今後ますます広がりを見せる可能性が高いのではないか。
(文=斉藤永幸/フリーライター)

BusinessJournal編集部

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