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東芝、今年「反転攻勢」への正念場~好調の半導体、新主軸の自動車とヘルスケアを加速

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東芝、今年「反転攻勢」への正念場~好調の半導体、新主軸の自動車とヘルスケアを加速の画像1東芝本社が所在する東芝ビルディング
(「Wikipedia」より)
 東芝社長の田中久雄氏は11月21日、東京ビッグサイトで開催された「東京モーターショー2013」の会場にいた。ショーに併設された展示場に東芝は、本田技研工業(ホンダ)、積水ハウスと3社合同でブースを持っていた。「スマート・モビリティー・シティー2013」と題したこの展示ブースは、二酸化炭素を排出しない水素をエネルギー源とする「水素社会」の実現に向け、環境配慮型都市(スマートシティ)での暮らしを提案したものだ。

 異業種の3社には、水素をエネルギー源とした燃料電池を手掛けているという共通点がある。東芝は燃料電池を開発・製造、ホンダは燃料電池をエネルギー源とした燃料電池車を開発、積水ハウスは東芝の家庭用燃料電池を住宅設備に取り入れ始めている。

 3社合同のカンファレンスでは、水素エネルギーを住宅や自動車だけでなく地域コミュニティ全体に取り入れ、水素エネルギーで結ばれた「水素社会」を目指すというビジョンが提示された。水素による発電は、化石燃料と違い廃棄物は水だけ。環境に優しいのが特徴だ。余剰電力で水を電気分解して水素を発生させ、燃料電池で住宅や自動車の電源として活用することが考えられている。田中氏は「東芝では、水素をつくる、使う、送る、貯める、それぞれの技術と商品を持っている。今後これを複合してレベルアップしていかなければならない」と語り、「水素社会」実現に向けた取り組みに強い意欲をみせた。

 3社が掲げたスマートシティ構想では、ITを活用し電力や交通、生活情報など、あらゆるインフラの統合的な管理と最適な運用を目指す。その核となるのが自動車と住宅である。とりわけIT化と電子化が進む自動車市場は、電機メーカーがそれぞれの技術を競い合う場となっている。

 東芝の車載事業は、半導体と電動機器が2本柱となっている。車載用半導体は安定的な成長が見込める分野で、現在年間約1000億円の売り上げを2015年に同2800億円にまで増やす計画だ。電動機器の領域ではモーター、インバーター(周波数変換装置)を外販するメーカーとして東芝が売り上げで1位である。トヨタ自動車など大手は、モーター、インバーターを内製化しているが、中堅の自動車メーカーは大部分を外部から調達している。東芝は車載事業にアクセルを強く踏み込んだ。

 東京モーターショーの会場では、東芝とホンダが車載用燃料電池を共同開発するのかという点に注目が集まった。ホンダ社長の伊東孝紳氏は会見後の囲み取材で記者団に対して「今のところそのようなプランはない」と否定した。ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)は昨年7月、燃料電池車分野で提携を発表した。2020年をメドに低コストの燃料電池システムと水素貯蔵タンクを共同開発する。

●絶好調の半導体事業

 東芝の13年9月期中間決算は、半導体事業の営業利益が1137億円と前年同期のほぼ4倍に増え、過去最高を記録した。スマートフォン(スマホ)向けの半導体「NAND型フラッシュメモリー」の販売が好調だったためだ。14年3月期には連結営業利益(予想)が2900億円になるが、大半を半導体が稼ぐことになる。テレビやパソコンなどデジタル機器は海外に生産をシフトしたことによる円安の影響もあり、192億円の営業赤字となる。製品を輸入する際に円安がデメリットになるわけだ。

 13年9月期の売上高は3兆392億円と前年同期より13.2%増え、営業利益は1055億円で同53.7%の大幅増益となった。一方、再建中のテレビ事業のリストラ費用や孫会社の不正経理による94億円の損失などが発生し、最終利益は同14.4%減の215億円にとどまった。

BusinessJournal編集部

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