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「大塚将司『反メディア的!その記事、ダマされていませんか?』」第20回

活気戻るゴルフ業界、なぜ戦々恐々?全産業と社会保障に忍び寄る「2025年問題」とは?

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●ゴルフ業界だけではない「2025年問題」

 バブル時代に接待ゴルフを謳歌したのは、当時30代後半から50代までの働き盛りのサラリーマンたちだった。団塊世代が30代後半だったので、それより上の世代が中心だ。団塊世代のうち、どれくらいがゴルフ人口といえるのか、わからない。仮に8分の1の約100万人として、その全員とさらに上の世代が“勇退”すれば、ゴルフ人口は800万人を割るだろう。

 日本のゴルフ場数はまだ約2400カ所もあり、米国、英国に次いで世界第3位の数だ。25年以降もこれだけの数のゴルフ場を維持し続けることは不可能だ。まだ10年余り先のこととはいえ、業界が戦々恐々となるのは頷ける。日経平均株価が13年の1年間で57%上昇したのに、ゴルフ会員権相場の上昇が17%弱(桜ゴルフ調べ)にとどまったところにも、ゴルフ業界の先細りが垣間見える。

 影響を受けるのはゴルフ場の施設運営だけではない。クラブ、ボール、ウエアなどの用具・用品も需要減に見舞われるのは必至だ。しかも、ゴルフ業界はほんの一例に過ぎない。

「2025年問題」はすべての産業にとって、他人事ではないのだ。新たな輸出産業の育成策とともに、人口減に対応した内需産業の構造改革支援策、つまり10年先を睨んだ産業政策を構想することが求められるゆえんである。アベノミクスで日本経済を成長軌道に乗せ、持続させたいという安倍晋三政権は、企業の新陳代謝にはなっても、内需の拡大にはつながらない規制緩和を目玉の一つとして掲げるが、この問題を“猫またぎ”しているようにしかみえない。
(文=大塚将司/作家・経済評論家)

●大塚将司(おおつかしょうじ) 作家・経済評論家。著書に『流転の果て‐ニッポン金融盛衰記85→98』上下2巻など

BusinessJournal編集部

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