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“イタい”バブル女は日本の資産?根拠なき自信、荒唐無稽…その正しい活用法とは

【この記事のキーワード】

 もう1つは、本書で「資産」と書いた部分につながります。青春時代、具体的には17~23歳くらいの時期は、その後の人間の消費や恋愛に大きく影響を与えるのです。“バブル女”は、この時期にバブル景気を経験していて、会社の接待交際費も多分にありましたので、上司においしいところに連れて行ってもらったり、デートでは常に男の子が送り迎えしてくれたりする“エスコート”に慣れた時代でしたし、入社当時はほとんどの人がボーナスをもらえていたので、海外旅行ブームや高級ブランドorグルメブームなどを味わってきています。いろいろな本物体験をしていて、「こだわり」を持って消費活動をする人たちであるといえます。日本の豊かな経済が、このような世代を育ててきたという意味で「資産」と呼んでいるのです。

 また、人間の消費には重要な基点があり、それは青春時代ともう一つ、幼少期の経済環境が大きな影響を持つといわれています。彼女たちは、高度成長期の真っただ中か、その直後くらいに幼少期を迎えているのです。家に初めてカラーテレビや電子レンジが来たとか、お父さんが初めて買った車に乗って帰ってきたとか、そのような画期的なものが家に入ってきた時のことを、ものすごく鮮明に覚えているので、「頑張ってお金を稼げば、いいものが手に入る」という成功体験や、貯金することよりもお金を使うほうが楽しくて、みんなが幸せになるという思いが根底にあることが、取材してわかりました。

●“バブル女”はビジョンを持っている?

–頑張れば必ず成功するというような夢を持っている “バブル女”は、「こうしなければいけない」「こうなりたい」というビジョンや理想像をはっきり持っているように感じるのですが、今後どのようにしたいと思っているのでしょうか?

牛窪 専業主婦になった人たちは、子育てから解放されると習い事やボランティアなどに注力します。しかし、働きたいという思いが強く、自分の好きなことを仕事にしようとしている人もいます。まつ毛エクステのサロンでもやろうとか、海辺を裸足で歩いてすごく気持ちがよかったから、それを大々的にイベントとして開催して、さらにそれをなりわいにしたいなどと思いを馳せます。男性は、単に好きなことと仕事は一致しないと考えますが、無謀でも、敢えてかなり荒唐無稽なことをやろうとします。

 ただ、キャリアウーマンの人も含めて、“バブル女”みんなに共通しているのは、「自分が好きなことをやれば、周りの人が喜んでくれるのではないか」とか、「自分がしてもらってうれしかったことをほかの人にもしてあげたい」とか、シンプルにそういう気持ちを持っているのです。海辺を裸足で歩くイベントや、美容の素人なのにまつ毛エクステをやろうとの考えは、きっとみんなも喜んでくれるに違いないとか、世界を幸せにしたいというような、回りに幸せをもたらしたいという思いからきています。

 地道にワークライフバランスに取り組んで、社員が幸せになって、それによって社員の家族もハッピーになって、さらにその周りにもハッピーが広がって、地域もハッピーになって……と考えている経営者もいます。夢はグローバルサイズで、そこに非現実的な夢も含まれていたりします。だから、同年代の男性や旦那さんから「何をバカなことを言っているのか」と思われたりもします。若い世代の子は、こういうことを思っても口に出さないですし、いきなり「世界」とまでは考えにくいと思います。自分の家族とか友達とか、まず身の回りの人をハッピーにしたいというのはあるでしょうが、突然、明日から世界を私がなんとかする、ということは下の世代は考えないので、そこは全然違いますよね。

–ほかの世代からは、このバブル世代の人たちを見ると「イタい」という感想がよくあります。

牛窪 そうですね。それに、若い人に比べるとパソコンや携帯電話に対しては弱い世代なので、「仕事ができない」という見方をされたりもします。Windowsは団塊ジュニアが入社してすぐに入ってきたのですが、バブル世代の女性はパソコンを使いこなさないうちに会社を辞めた人も大勢いますし、ソーシャルネットワークなども下の世代に比べると使い方が下手で、効率主義ではないですね。女性の間にも、基本的に汗を流して頑張ることが格好いいという体育会系の考え方があり、それが会社や周りを元気にするという価値観が染み付いているのです。でも、今の若い子たちはできるだけ効率よく、ITも使いこなして、なるべく負荷をかけずに、そしてゆるく、そこそこハッピーにという考え方なので、バブル世代の体育会系のノリや、無駄遣いするような消費行動は「バカじゃないの」「イタいな」というとらえ方をされますね。

●資産としての“バブル女”を活用する方法

–“バブル女”たちは、バブル期を振り返ってみて「あの頃は若かった」「イタいな」と思っているのでしょうか、それとも「いい時代だった」と思っているのでしょうか?

牛窪 どちらもですね。特に男性は、バブル崩壊によって大きなショックを受けていましたが、彼女たちは根拠なき自信を持ち続けたまま今に至っているので、女性たちは失敗しても、“イタい”と言われようが「私はそれでも頑張りますから」という感覚です。また、小・中学生の時代には、校内暴力はあっても、その暴力は権力に対して向けられるもので、友達や弱い者をいじめるということはあまりありませんでした。それは大きな価値観の違いを生んでいるように思えます。若い子が「目立っていいことはない」と考えるのとは対照的に、むしろ「目立った者勝ち」のように思っていて、「人になんと言われようが私は好きなことをやる」という考え方をしている人が非常に多いです。

BusinessJournal編集部

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