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ローソン、新業態マートにみる、競合の逆行く独自戦略~脱・標準化&セブン型、出店抑制

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●大量出店競争に背を向ける理由

 日本フランチャイズチェーン協会が2月に発表した「コンビニエンスストア統計調査月報」によると、14年1月末現在のコンビニ店舗数(正会員10社計)は4万9481店。過去1年間で約2500店増えており、コンビニ業界で飽和状態といわれている5万店超えが近づいている。

 業界トップ3の直近の国内店舗数をみてみると、セブンが1万6319店(14年2月末)、ローソンが1万1270店(13年11月末)、ファミリーマート(以下、ファミマ)が1万547店(14年2月末)。この中で、セブンの店舗数は14年2月期上期(13年3-8月)だけで759店増加、通期は過去最高の1150店純増を計画している。セブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長は、「この出店計画は達成できる」と述べており、コンビニ飽和論を気にする様子を見せていない。

 セブンと同じ1150店の出店計画を打ち出したファミマの中山勇社長も、前期の決算発表の席上で「これでやっと上位を追える規模になる。今ブレーキをかける状況ではない」と、こちらも強気の姿勢を見せていた。

 この両社と対照的に、年間870店と抑制的な出店計画を発表したのがローソンだった。同社の新浪剛史社長は「今まで通りのコンビニでは飽和する。このまま出店拡大をするとコンビニイノベーションを起こせない」と、既存店重視の姿勢を見せていたが、この言葉の裏にこそローソンの独自戦略は秘められていた。

 ローソンが他2社の大量出店競争に背を向け、このコンビニイノベーションを市場関係者に強く印象付けたのが「ナチュラルローソン3000店計画」だった。

 新浪氏は昨年10月8日に行った14年2月期上期連結決算発表の席上で新中期事業戦略に触れ、「健康に良い食品や医薬品の提供を拡大する」とし、01年から首都圏を中心に約110店展開している健康志向型コンビニのナチュラルローソンを、今後5年間で3000店に全国拡大すると発表したのだった。その理由として「既存型コンビニは飽和しており、出血を伴うレッドオーシャン(競争の激しい既存市場)になっている。しかし、健康志向型コンビニはブルーオーシャン(未開拓市場)だ。ニーズに比べ店舗数も少ない」と、新浪氏は説明していた。

 そして、同社が着々と進めていたのが「今後の戦略的業態に位置付けている『ストア100進化プロジェクト』、すなわちマート開発だった。これこそ出店抑制の本当の理由でもある」(業界関係者)。

●既存コンビニ理論からの脱却

 証券アナリストは「新浪氏が唱えているコンビニイノベーションの中身は、既存コンビニ理論からの脱却にほかならない」と言う。その傍証として、09年8月に慶応義塾大学三田キャンパスでローソンの河原成昭執行役員が行った「ローソンストア100」についての講演を挙げる。その要点は次の通りだ。

(1)小売業への私見

・わが国の小売業には進化がない
 小売業の基本は模倣・同質による相対ビジネス。要は競合よりちょっと差があればよい。それで同一商圏内で相対的に勝てる。

・だから戦略オプションが少ない
 小売業の基本戦略は出店。出店数を拡大させ、ドミナント効果により認知度、商材配送効率、店舗運営効率などが向上する。

BusinessJournal編集部

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