LINE、“安価な”電話サービス参入の真の狙いとは？広い顧客囲い込みの起爆剤に

電子書籍、ゲーム、オンラインショッピングなど、ビジネスを広げてくれるアプリ

　そんな中で3月17日、「LINE」が日本国内向けに「LINE電話」という通話サービスを開始した。これは「LINE」加入者同士だけでなく、一般の固定電話や携帯電話に電話をかけることができるサービスで、ほかの通話サービスと比較して料金が安いことが特長だ。

低料金なLINE電話

他のキャリアの通話と比較して、最大95％オフになるLINE電話

　通話機能は使用しないというスマホユーザーも多いと思うが、そういう人たちの中でもメールやメッセージングを使用することで電話が必要ないと考えるグループと、スマホの通話料金が高いので使っていないというグループがある。つまり、通話料金が安ければ通話を積極的に使いたいと考えるユーザーは一定数存在するだろう。

　また、スマホを使っていない人たちも、少なからずいる。その人たちが近い将来スマホを使い始めた場合、通話手段として安い通話料の「LINE」を選択する可能性は高い。そして、通話のみならず、「LINE」が提供する他のサービスも使うようになるだろう。

　さらに、「LINE」ユーザーが増えるにつれて、無料で利用できるユーザー間通話がスタンダードになり、ユーザーが進んで周囲の知人たちを引き込むなど、普及活動の一翼を担うようになってくれる可能性も高い。

「LINE電話」の安い通話料金は、それ自体で収益を上げるためのものではなく、顧客を自社のサービスに呼び込むための販促品なのかもしれない。
（文＝一条真人／フリーライター）