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東京再開発ラッシュ最終章~変貌遂げる三菱村・丸の内と三井村・日本橋、再生なるか?

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●日本橋=三井村

 日本橋が三井村と呼ばれるようになったのは、ごく最近のことだ。三井不動産が三菱地所に対抗して、日本橋の再開発に乗り出してからだ。

 三井グループの源流は1673年、伊勢松坂の商人、三井高利が江戸・日本橋に開業した三井越後屋呉服店(三越の前身)。日本の経済・文化の中心地として栄えた日本橋と三井グループが共に歩んできた歴史は300余年になる。

 日本橋には老舗の店舗が集積する。だが、繁華街は銀座や新宿に移り、日本橋はかつての賑わいを失った。04年3月、閉店した東急日本橋店の跡地に三井不動産が開発した新しい商業施設、COREDO日本橋がオープンしたのをきっかけに、三井不動産が主体となって「日本橋再生計画」が動きだした。

 再生計画のコンセプトは「残しながら、蘇らせながら、創っていく」。国の重要文化財である日本銀行本店、三井本館、高島屋や日本橋三越本店など歴史的建造物が数多くある。日本橋のシンボルタワーとなっている三井タワーは、歴史的建造物と調和したデザインになっている。複数の地権者が持つ5つの街区を一体で開発しているのが、大きな特徴だ。

 14年2月には「室町古河三井ビルディング」と「室町ちばぎん三井ビルディング」が完成した。3月20日には「日本橋室町東地区開発計画」の商業ビル、「COREDO室町2」(地上22階、地下4階)と「COREDO室町3」(地上17階、地下4階)が開業した。「室町2」の2~6階には9スクリーン、1800人収容の映画館「TOHOシネマズ日本橋」が入館、イタリア料理の有名シェフが監修したウニ料理専門店や愛知県の鶏肉加工販売・さんわグループが企画した名古屋コーチンの親子丼店など38店が開店した。「室町3」には、3階に八畳の茶屋が設けられ、職人がつくりたての和菓子を提供する京都発祥の和菓子店も出店する。金沢でつくられた金箔パックを扱う化粧品店など30店が入店した。

 今後、三井不動産は再開発を加速させ、日本橋と八重洲の8地区で地権者と再開発に取り組み、20年初頭にかけて順次完成を目指す。長く受け継がれてきた伝統文化と調和した街づくりで日本橋を再生させ、かつての賑わいを取り戻すという。

 20年の東京五輪開催は、日本橋一帯の再開発を意気込む三井不動産にとって、またとない朗報だ。東海道の起点である日本橋の川の上を首都高速道路の高架がかぶさり景観を著しく阻害していると指摘されているが、首都高は前回の東京五輪のためにつくられたものだ。これまでにも首都高の地下化案が浮上したが、巨額の事業費がネックとなって立ち消えになった。東京五輪をきっかけに、首都高の地下への移設プロジェクトに期待が高まっている。三井不動産の長年の悲願が成就するのだろうか。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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