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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第22回

虫よけ、どれを選ぶべき?誤ると炎症も 海外旅行ではアースノーマットとバポナを

文=へるどくたークラレ
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 これらは、屋外のキャンプ拠点などで使用しても効果的で、特に網戸用の虫よけテントなどにスプレーすると、害虫をほとんど寄せつけません。

 さて、今回のメインテーマである、人体に塗るまたはスプレーする虫よけについて言及してまいります。

 実は、肌に塗る虫よけは、ほぼすべての商品の主成分がディート(ジエチルトルアミド)という化合物です。ディートを使用した虫よけの市場規模は、国内の売上高が年間55億円(商品数1400万本)という、一大虫よけ成分です。

 ほかにも、ピレスロイド系なども使えないわけではないのですが、それらは皮膚刺激性が強く、現在はディートに代わる成分はないといえるでしょう。
 
 国内では、ディートを12%配合している商品を医薬品、それ以下の含有量の商品を医薬部外品として分類しています。当然、濃度が高ければ忌避能力も高いのですが、注意も必要です。

 まず、ディート12%の商品としては「サラテクトFA」(アース製薬)、「ムヒ ムシペールパウダースプレー」(池田模範堂)等があります。高濃度商品は屋外での活動時間が長い場合に使用するにとどめることをお勧めします。日本の蚊は、数%程度のディートでも十分に忌避するので、低濃度の商品を低価格で購入し、普段使いすると良いでしょう。

 例えば、屋外に長時間いる場合には12%、短時間の外出時には6%程度の虫よけなどと使い分けることで、肌にかかる負担を減らすことができます。大手薬店がプライベートブランドとして安価な商品を販売していることもありますので、チェックしてみてください。

 ディートの濃度は、パッケージ裏面のラベルに記載されています。しかし、残念なことに、医薬品として販売されている12%の商品以外は、ディートの配合量が不明瞭な商品も多く、医薬部外品の中には数%から11%までさまざまな商品が売られているので、値段が安いというだけで選んではいけません。表示の無い商品は避けたほうがよいでしょう。

 また、日焼け止めと併用する場合は、日焼け止めを先に塗ってから、スプレータイプの虫よけを塗布するのが良いそうです。

 さて、広く使われている有効成分ディートは、大半の人には無害ですが、敏感肌の人には炎症が出ることもあります。また、1歳未満の子供には使わないようにと勧告されていますので、ご注意ください。

へるどくたークラレ

へるどくたークラレ

覆面の不良科学屋。添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、『アリエナイ理科ノ教科書』の著者、SFやミステリーの設定やトリックの監修も務める。こっそり大学でも教養課程で科学を教えていたりする。過去の連載をまとめた『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』は好評発売中。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。

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