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地銀再編機運、なぜ高まり?都民銀・八千代銀統合と、初の地銀への金融庁一斉検査

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地銀再編機運、なぜ高まり?都民銀・八千代銀統合と、初の地銀への金融庁一斉検査の画像1東京都民銀行本店(「Wikipedia」より/Sasasasawnaunda)
 首都圏を地盤とする地方銀行の東京都民銀行と第二地方銀行の八千代銀行は10月、共同持ち株会社方式で経営統合する。持ち株会社の名前は「東京TYフィナンシャルグループ」で、社長に都民銀の柿崎昭裕頭取が、会長に八千代銀の酒井勲頭取が就任。本店は東京・新宿区の八千代銀本店に置く。持ち株会社の傘下に入る両行は現在の行名で営業を続けながら、本部機能などの集約を進め、将来的にシステムの統合を検討する。

 2014年3月末の預金量は両行の単純合算で4兆4478億円。関東地区の地銀としては横浜銀行、千葉銀行などに次いで6位。全国では20位前後になる。貸出金残高は3兆2000億円だ(以上、ニッキン調べ)。

【関東の地方銀行の預金量ランキング】
(1)横浜:11兆1765億円
(2)千葉:9兆7922億円
(3)常陽:7兆4633億円
(4)群馬:5兆8360億円
(5)足利:4兆7879億円
(6)東京TY:4兆4432億円
(いずれも13年9月末の数字)

 東京TYは東京都内で最大の地方銀行となり、20年には業務純益200億円を目指す(13年3月末の合算で114億円)。柿崎新社長は「東京は20年の五輪開催に向けてビジネスチャンスが拡大する。(経営統合で)盤石な経営基盤をつくる」と抱負を語っている。一方、酒井新会長は「今後、多くの地域金融機関が首都圏に進出し、競合が激化する。これまでとは次元の違う合理化、効率化を検討する必要がある」と表情を引き締めた。

 勘定系のシステムは都民銀がNTTデータの「STELLA CUBE」、八千代銀がNECの「Banking Web21」をそれぞれ他行と共同利用している。システム統合は今後の大きな課題になる。酒井氏は持ち株会社の機能について「強い本部組織にしたい」と語っており、可能な機能から持ち株会社に集約していきたい考えだ。

金融庁、地銀再編を主導

「いろいろシミュレーションをしているが、今はない」。柿崎新社長は、東京TYに他の地域金融機関が合流する可能性について含みを残しているが、金融庁は地域金融機関の再編に本腰を入れている。畑中龍太郎・金融庁長官は1月、地銀首脳らの会合で「業務提携、経営統合を将来の経営課題として考えていただきたい」と述べ、再編に言及した。

 金融庁は4月下旬から、地方銀行と第二地方銀行の計106行を対象に、一斉に検査を始めた。経営規模などに応じて4グループに分け、「将来、収益をどうやって確保するか」を検証する。地銀、第二地銀の全行を対象とした一斉検査は初めてだ。有力地銀のトップは「経営の抜本的な見直しを迫られる銀行が出ている」と危機感を募らすが、こうした地域金融機関が次の合併予備軍になる。今回の東京TY発足をきっかけとして、地銀再編が加速するとの見方も強く、地銀各行はしばらく気の抜けない状況が続く。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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