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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!第1回

縮小する結婚式市場、日本一に急成長した情報サイトの秘密 理念共有優先の超アナログ経営

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

 アベノミクスの経済効果もあってか、景気回復の傾向が報じられている。一方で、業績が上向かず苦しい経営を強いられている企業も少なくない。そのような不安定な経済状況の中、着実に成長を続ける企業はどこに秘訣があるのだろうか?
 
ビジネスプロデューサーとして多くの企業に関わってきた鈴木領一氏が、業績を伸ばしている企業を取材し、独自の視点で成功の秘訣を解き明かす。

 理念を掲げて変化に挑み、長期間にわたって優良であり続ける企業を「ビジョナリー・カンパニー」という。

「ビジョナリー・カンパニー」は、利益優先ではなく価値観の共有を優先し、会社が掲げた高い理念の下に社員全員がまとまり、理想の実現へと邁進する。

 経営学者ジム・コリンズが不屈の名著『ビジョナリー・カンパニー』(日経BP)を1995年に世に送り出して以来、理想的な企業を形容する名称として「ビジョナリー・カンパニー」の呼称が認知されてきた。

 今回ご紹介する企業は、今後日本を代表する「ビジョナリー・カンパニー」となる可能性を秘めた会社であり、不況を突破していくヒントが詰まった会社である。

●縮小するウエディング市場で右肩上がりの成長

 その会社の名前は、株式会社ウエディングパーク。

 聞きなれない社名だと思った読者も多いだろう。本当に優秀な企業は派手に目立たないものである。ウエディングパークは、結婚式場案内のクチコミ情報サイト「ウエディングパーク」を運営する会社である。

 2004年にウエディング業界で初めて結婚式場の評判をサイトに掲載するクチコミサービスを開始し、14年4月に契約式場件数が1900件を突破した。媒体が異なるので単純比較はできないが、リクルートが発行する結婚情報誌「ゼクシィ」の式場掲載件数(1900件)を上回り、実質的に日本一の式場案内メディアとなったといえるだろう。

 10年前、たった3人だった会社は、今では100名に迫る従業員を擁する日本最大のウエディング情報サイト運営会社となった。この3年間だけでも売り上げは230%、式場契約数は250%も伸びている。

 この数字からウエディング市場が伸びていると勘違いしてはいけない。ウエディング市場は3兆円マーケットといわれるものの、近年は少子化の影響もあり縮小傾向にある。結婚スタイルの変化も市場に影響を与えている。いわゆる「なし婚」という、結婚式を挙げないカップルが増加し、年間婚姻件数約66万件のうち半分が「なし婚」になりつつあるといわれている。
 
 市場が縮小すれば競争が激化し、会社の売り上げも減少するのが普通であるが、そのような中でウエディングパークは、10年間右肩上がりで成長し続けている。

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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