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坂口孝則「ダマされないための“儲けのカラクリ”」 第29回

ドレッシング、なぜ幅広い層でブーム?拡大する市場規模、新たなダイエットも

文=坂口孝則/購買・調達コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役

 ドレッシングは若者層にも広がっている。このところコンビニエンスストアで昼食用にカット野菜を買う層が増加している。健康志向とローカロリー食品志向、節約志向が合わさり、店舗によっては売上が前年比1.5倍ほどになっている。これもドレッシング需要を増加させる一因だった。

 またドレッシング市場拡大の要因としては、粉ドレッシングの流行も大きい。これは文字通り、粉状のドレッシングのことで、野菜に簡単にふりかけて食べられる。ドレッシングの液体が残ってしまい処理に困った人は多いだろうけれど、粉状ではその心配はない。その時短性と新進性を、雑誌「日経トレンディ」(日経BP社)は「サラダの大革命」とまで呼んだ。具体的な粉ドレッシングの商品としては、味の素「トスサラ」、キユーピー「彩りプラス+」がある。私は野菜にこれまでドレッシングをかけずに食していたが(だって面倒なんだもん)、粉ドレッシングを試用してみると、たしかに便利で美味しいと思った。

 その他、自家製ドレッシングが流行している。「生ドレ」「ベジドレ」なる言葉もあり、これはフレッシュな野菜や果物をそのままドレッシングとするものだ。

 以上、紹介したドレッシングをはじめとし、さまざまなドレッシングが考案されており、まるでドレッシング経済圏ともいうべき市場が誕生している。

●ドレッシングの効果と次なる流行

 それではドレッシングの効果は、どのようなものだろうか。もちろん、野菜を美味しく摂ることは健康的だ。また、肉食の比率を下げ、野菜などに代替できればダイエット効果が期待できる。これらは私が指摘するまでもない。

 最近、注目されているのはGI値効果だ。GI値とは、「グリセミックインデックス」のことで、単純にいえば血糖値の上がりやすさを示す。野菜や海藻類などの食物繊維食品を食べれば、このGI値が良好になるとされる(ファイバーファースト)。この野菜や海藻類などの摂取を促進するためにも注目されたのが、ドレッシングだったわけだ。

 このほかにも、ドレッシングに含まれる酢の作用が、消化吸収の速度を抑える効果もあり、「食べ順ダイエット」なる手法も生んだ。ドレッシング活用は山火事のように広がっている。

 これまで野菜のお供として考えられたドレッシング。そのドレッシングが急先鋒に立つとは面白い現象ではある。このブームが続くのか終わるのかはわからないが、ここは美味しい野菜が食べられるわけなので、まずは歓迎しておこう。

 もちろん、ノンオイルドレッシングも粉ドレッシングも、食べ順ダイエットもいいけれど、食べ過ぎないこともお忘れなく。
(文=坂口孝則/購買・調達コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役)

坂口孝則

坂口孝則

関西の某国立大学卒業後、携帯電話メーカーへ。購買部に配属される。バイヤーとして担当したのは200社以上。株式会社アジルアソシエイツ取締役、未来調達研究所取締役(現職)。バイヤー同士の情報交換ができる場、購買ネットワーク会発起人。「ほんとうの調達・購買・資材理論」主宰。メルマガ「世界一のバイヤーになってみろ!!」代表執筆者。コスト削減のコンサルタント、調達業務研究家。物流コンサルタント。
未来調達研究所株式会社

Twitter:@earthcream

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