■勝負を決めるモーター抽選

　開催前日の12月18日は出場選手に割り当てられる「モーター抽選」と「前検」が行われた。モーターはボートのエンジン部分で勝敗に直結するため、レーサーにとってもっとも重要な要素。すでにこの抽選から勝負は始まっているのである。

　このモーターはボートレース場ごとに異なり性能もまちまち。モーターごとの勝率や連対率がデータ化されており、いかに成績の良いモーターを「くじで引けるか」が選手にとって勝負のポイントだ。

　会場となるボートレース住之江には「12号機」「10号機」「8号機」というエース級のモーターがあり、これを引いた選手は一気に優勝候補へ躍り出る。その抽選結果はというと…

12号機＝白井英治

10号機＝井口佳典

8号機＝桐生順平

　という順になった。ちなみに優勝候補の筆頭だった石野貴之が引いたのは「7号機」で、これは記者の間では「ハズレ」と呼ばれているモーター。もちろん本人の整備次第でマイナス評価を逆転させる可能性はあるが、くじを引いた本人の表情からは苦戦が予想される。

　抽選が終わると、割り当てられたモーターを使ってスタート練習やタイム測定といった試運転が行われる。その前検作業の印象では、やはり「12号機」の走りは相当良かったようだ。他のボートを一瞬にして置き去りにしたように、やはりワンランク上のモータといえよう。よほどのトラブルがなければ最終日の優勝戦出場は濃厚、そして優勝候補筆頭とっていいだろう。

　第32回グランプリは12月19日から24日までボートレース住之江で行われる。現地はイベントが盛りだくさんでファンを歓迎し、そして公式サイトではボートレース通でお馴染みの坂上忍の予想があり、ネット中継やテレビ中継なども充実している。有馬記念に話題が集中しがちだが、同じ日に行われるこのビッグイベントも見逃せない。

グランプリ公式サイト
http://www.boatrace-sp.com/12/17grandprix/

ボートレース住之江公式サイト
http://www.boatrace-suminoe.jp/