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広木隆「僕にも言わせろ~真説 経済のミカタ」(7月23日)

政府、国策として日経平均株価2倍を目標に?新成長戦略で迎える株式市場の大転換

文=広木隆/マネックス証券チーフ・ストラテジスト
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 株価水準の評価尺度を測る代表的な指標が2つある。株価純資産倍率(PBR)と株価収益率(PER)だ。前者は純資産に対する株価を、後者は利益に対する株価を比率(倍)で表す。

・PBR=株価/純資産
・PER=株価/利益

 そうするとこの3者の関係は

・PBR=ROE×PER

となる。上記式からわかるように、PERが一定ならばPBRとROEは比例する。だからROEを上げるということはPBRを高くする、すなわち株価の評価尺度を上げることと同義なのである。

 具体的にいうと今や日米のPERはともに約15倍で変わらない。ROEが平均15%の米国企業のPBRは同2倍強で、ROEが同8%の日本企業のPBRは同1倍をやっと上回った水準だ。仮に日本企業のROEが米国並みになると、日本のPBRも2倍になる。現在、1万5000円を超えた水準にある日経平均が3万円になるということである。

 以上の解説は、「そうなればいいな~」という願望や希望的観測ではない。このような論理関係にあるのだから100%そうなる。「1+1」が「2」になるのと同じである。PERが一定なら、ROEとPBRは比例する。ROEが2倍になればPBRは2倍になる。「グローバル水準のROEの達成等を一つの目安」と謳った成長戦略の含意は、ここから株価を倍にすると宣言したのと同じことなのである。
(文=広木隆/マネックス証券チーフ・ストラテジスト)

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