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三越、なぜ独り勝ち?百貨店、好調の一極化鮮明、業界全体は長期低迷の兆しも

文=編集部
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 この差の要因となったのが外国人観光客である。三越伊勢丹HDは外国人観光客が多い三越銀座店が前年比プラスを続けているほか、主力の伊勢丹新宿本店も0.2%増と前年実績を上回り、首都圏の三越伊勢丹HDの合計で0.9%増となった。首都圏の堅調ぶりが全社の売り上げを押し上げた。

 外国人観光客の比率が高い店舗は、いずれも好調だった。J.フロントの大丸東京店は2.5%増と3カ月連続で売り上げが増加。高島屋新宿店も0.2%増と前年を上回った。

 三越伊勢丹HDは12年から免税手続き世界最大手、グローバルブルー(スイス)と提携して、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店に免税店を設けた。他社に先駆けて外国人観光客の呼び込みに取り組んできたことが実を結んだ。10月からは規制緩和が貢献する。従来1店舗当たりの最低購入額は1万円だったが5000円に引き下げられ、免税対象品目も拡大される。

 百貨店各社は外国人観光客をいかに取り込むかが勝負となった。ただし、これは東京の銀座、新宿など外国人観光客が多い街に立地する店舗に限られる。外国人観光客の下支えがない地方百貨店は深刻だ。三越伊勢丹グループである九州最大の百貨店、岩田屋三越(福岡市)は4.7%減、J.フロント傘下の大丸札幌店(北海道)は1.7%減。7月についても、他の地方百貨店は苦戦が続いている。

 百貨店各社は消費増税の反動減は6月に底を打ち、7月からプラスに転じると予測していたが期待外れに終わった。元気なのは銀座と新宿の百貨店だけで、ほかは総崩れだ。
97年の消費増税後、百貨店の売り上げが前年を下回る状況が15年間続いた。今回の増税でも、長期低迷に陥る兆しが出始めている。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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