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小川浩のNew Vision(10月2日)

流行と廃りが激しいウェブビジネス、ソーシャルファーストとファストウェブが不可欠?

文=小川浩/リボルバー代表取締役CEO、シリアルアントレプレナー

 主要ターゲット消費者である若者(10~20代)は、ファッション雑誌で見るようなスタイルの服を安く買えるため、いち早く飛びつく。背景には「そもそもはやりの服は流行が終われば着なくなるから、1シーズン着られる品質であればいい」という割り切りがある。

 筆者が提唱したいファストウェブとは、複数のファストファッション企業が行っているビジネスモデルに近い。さまざまなネットサービスにもトレンドがあり、はやり廃りがある。例えばスマートフォン全盛の2013年にあっては、ユーザインターフェース(UI)はカードデザイン(画像やサムネイルやテキストなどの情報をフラットなカード型の領域で表現。Pinterestや最近のFacebookが好例)とフラットデザイン(iOS 7以降採用された、凹凸を廃した陰影や奥行きのないシンプルで二次元的なデザイン)が台頭した。同時にマルチデバイス対応のため、レスポンシブウェブデザイン(PC、タブレット、スマートフォンなど、あらゆるデバイスに最適化したウェブサイトを、単一のHTMLで実現する制作手法)も急速に普及しつつある。あるいは、モバイルの世界ではウェブサイトよりも、ネイティブアプリのほうが利用頻度ははるかに高くなっているから、極力サービスのアプリ化は必要になっている。

 こうしたトレンドをいち早く自社のサービスやウェブサイトに取り入れていくには、いちいち巨額の予算を使ってスクラッチ(雛形を使用せずに一からつくりあげること)でつくっていてはきりがない。従って、SaaS(ネット経由で必要な機能を利用する仕組み)などを利用して、こうしたウェブサイトやサービスをOEM(他社ブランドを製造すること)で提供してくれるような企業とタイアップしたほうがよい。つまり、それらの企業のことをファストウェブ企業と呼ぶのだ。

●ファストウェブ企業との提携で回転速度を上げる

 企業のウェブサイトやネットサービスにも流行があり、その流行を無視して大きな予算を割いてサイト構築やアプリ制作を行っても、すぐに陳腐化する。だからできるだけ低価格でこうしたサービスを提供してくれる企業と組むことで、速度を上げていくのである。

 例えば、最近話題になっているネットショップ制作サービスのBASEやStores.jpなどは、イーコマース(EC)という機能を低価格で提供するファストウェブ企業の一つと考えればいい。

 また、最近上場したWixや、Weebly、Strikinglyなどの簡易ウェブサイト構築サービスをクラウドで提供する企業たちもまた、ファストウェブ企業といえる。もちろん、コミュニティサイトを簡単に構築するためのサービスを提供するリボルバーはコミュニティサイトのファストウェブ企業である。

 このように、ソーシャルファーストとファストウェブの2つのコンセプトが、いま時代に即していることを理解してほしい。これらをうまく活用することで、大企業はもちろん中小企業も、予算を抑えつつもネットのトラフィックを最大化し、O2O(オンラインtoオフライン)にせよECにせよ、自社のビジネスチャンスをより大きくすることができるのである。
(文=小川浩/リボルバー代表取締役CEO、シリアルアントレプレナー)

小川浩/シリアルアントレプレナー

小川浩/シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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