ビジネスジャーナル > 企業ニュース > スーパー銭湯業界、あの人気店の秘密  > 3ページ目
NEW
高井尚之が読み解く“人気商品”の舞台裏(10月23日)

“熱い”スーパー銭湯業界、あの人気店の秘密とは?多彩な日替わりサービス、法人客開拓…

文=高井尚之/経済ジャーナリスト

 意外に人気なのは、フロント横にある野菜果物の販売だ。にんじん(100円)、小松菜(90円)、バナナ(100円)などで、千葉県産や新潟県産もあり、特に地元の品ではないようだが、フロントスタッフに聞くと「その日によって品物は変わり、新鮮さが人気」だと言う。

 このように施設内は充実しているのだが、極楽湯のユニークなところは、むしろ営業活動にこそある。各店舗の店長や店長代理は、近隣の会社を訪問して「宴会プラン」の利用を勧めるなど、法人客の獲得にも力を入れているのだ。

 最近は、国内のビジネスホテルなどでも大浴場を設置するところが増えており、充実した入浴施設はビジネスパーソンの人気が高い。そう考えると、入浴+宴会の組み合わせは、「安・近・短」の福利厚生としても興味深い。

 こうして見てくると、スーパー銭湯も、いかにリピーターを多く獲得するかが成功のカギのようだ。極楽湯も割安な回数券を販売したり、イベントカレンダーのチラシ、割引券クーポンを置くなど、リピーター確保に余念がない。携帯メールでもクーポンは配信するが、来場客に高齢者が多いのでチラシは効果的だろう。

「また来たい」と思わせるためにも、さまざまな日替わりサービスが欠かせないようだ。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト)

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

“熱い”スーパー銭湯業界、あの人気店の秘密とは?多彩な日替わりサービス、法人客開拓…のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!