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絶好調の日立、なぜ年功序列廃止?首相も異例の後押しで、企業に守られる時代の終焉か

文=城繁幸/人事コンサルタント
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絶好調の日立、なぜ年功序列廃止?首相も異例の後押しで、企業に守られる時代の終焉かの画像1日立製作所本社が所在する日本生命丸の内ビル(「Wikipedia」より/Kakidai)
 今回は、最近の人事・雇用関連の経済ニュースの中から、筆者オリジナルの視点で解釈したものを紹介します。

●日立の年功序列見直しが衝撃的な理由

(NHK NEWSWEB『日立 年功序列廃止の衝撃』より)

 日立製作所の管理職年功序列廃止が諸方面に大きな衝撃を与えています。筆者も複数のメディアからコメントを求められました。すでにソニーやパナソニックが年功序列の廃止を打ち出している中、後発でしかも管理職限定の日立のほうがインパクトがあるのはなぜでしょうか?

 答えは、家電中心の経営が成果を上げられず、瀬戸際まで追い込まれた感のあったソニーやパナソニックと違い、日立は2014年3月期決算で過去最高益を更新し、15年3月期でも2期連続での最高益更新を掲げるほど絶好調だからです。しかも重電部門など、ベテラン重視のイメージの強い花形部門も含めた措置です。多くの人にとって「ソニーが年功序列を捨てるのは仕方ないけれども、まさかあの日立まで……」という点が驚きだったのでしょう。

 ただ、むしろ日立だからこそ、さっさと年功序列を捨てなければならなかったというのが筆者の意見です。年功序列・終身雇用制度では、日本人以外の人材はほぼ確保できませんから、日立のようにグローバルでのインフラ受注を目指す企業は、現状のままでは営業対象の国々で深刻な人材不足に見舞われるわけです。

 もちろん、高度成長期の日本企業のように、日本人の企業戦士を送り込むという手もなくはないですが、お膝元の日本においても、優秀な理系人材は非メーカーの外資系や新興企業に流れ始めており、人材不足の状況にあります。

 そのようなわけで、ベテランを重視しようがしまいが、事業を世界で展開する以上は年功序列は乗り越えねばならない壁であり、日立は当たり前のことをやったまでだといえるでしょう。

●総理が「年功序列の見直し」に言及する意味

(産経ニュース『政労使会議が再開 安倍首相「年功型賃金の見直しを」 年内に合意文書策定へ』より)

 9月29日に開かれた政労使会議の席上で安倍晋三首相が「年功序列の見直し」に言及したことが話題となっています。これについては、「総理がわざわざ言及するようなことなの?」「民間企業の話なのだから、労使に任せておけばいい」などと、懐疑的な意見を持つ人もいるようです。

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