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アジア中で沸騰する日本旅行熱 外国人客争奪戦激化、早くも勝敗鮮明に

文=栗田シメイ/ライター
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アジア中で沸騰する日本旅行熱 外国人客争奪戦激化、早くも勝敗鮮明にの画像1台湾人の旅行に関するデータ(「日本政府観光局 HP」より)

 近年、外国人旅行者向けのビジネスシーンは飛ぶ鳥を落とす勢いだ。日本政府観光局(JNTO)によれば、訪日外国人数は10月に前年月比率37.0%増の127万人を記録し、年間でも1100万人超と、共に過去最高値を叩きだした。

 日本政府が訪日外国人の取り込みを目的として2003年に掲げた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」は、2008年頃から落ち込みを見せたが、12年頃からは円安に伴い順調に回復。現在では、各地方自治体や企業にとって重要な資源となっている。

 格安航空の発着地のひとつである関西国際空港の所在する大阪や、豊かな観光資源を持つ京都、兵庫などの関西地方は旅行地として外国人からの人気が高い。今、関西で訪日外国人向けのビジネスはどのような動きを見せているのか。その動向を探る。

●ツアー客から、個人旅行客へ

 日本でも指折りの歓楽街のひとつである、大阪のミナミエリア。ミナミを歩くと、英語はもちろん、中国語、韓国語、タイ語と、あらゆる言語の看板が目に入ってくる。特にその傾向が顕著なのが、心斎橋だ。

「現在、心斎橋の飲食店は、梅田のキタヤード開発、あべのハルカス開発などの影響もあり、一部の店を除くと壊滅的な状態。そんな中でもしっかりと売り上げを上げているのは、外国人を取り込めているお店です。特に最近、台湾と香港からの旅行客が急増しており、各企業も注目しています。中国本土や韓国と違い、国際情勢の影響を受けにくいのが魅力です。それに台湾・香港の人は、団体客以上に個人の旅行客が多いのです。ちなみに当店の場合は、売り上げの40~45%程度が外国人で成り立っています」(大手飲食チェーン店エリアマネジャー)

「ここ2~3年で、訪日外国人の旅行スタイルの中心が、団体から個人へと移り変わりました。その恩恵を受けているのが、関西では特に難波・心斎橋エリアのホテルです。団体客は特定のホテルと提携していることが多いですが、個人客に対しては自由競争の原理が働きます。そして個人客がホテルを選ぶ際に、京都はホテルや宿の絶対数が少なく、神戸は他のエリアに行く際に少し遠いです。また、梅田などのキタエリアは少し値段が高くなります。消去法的ではありますが、外国人のミナミエリア利用が増加している背景には、そういった理由があると分析しています。当社の場合、年間平均で稼動客室の35%を外国人が占めています。近辺のホテルに話を聞いても、多少の差こそあれ、宿泊者の20~40%程度は外国人客というのが今のミナミの事情です」(心斎橋のホテルマネジャー)

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