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JMR生活総合研究所「消費と会社の戦略を読む」

自動車メーカーが脇役になる日 トヨタvs欧米勢の覇権争い勃発、脱ガソリン車時代幕開け

文=松田久一/JMR生活総合研究所代表
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●次世代車へ本格始動

 トヨタが究極のエコカーとしてFCVを掲げたのに対して、このほどラスベガスで開催されたCESでは、メルセデス・ベンツの自動運転車が注目を集めた。トヨタとは違った方向から、自動車を進化させようという試みだ。この自動車はEVで、車内は4席対面。映画鑑賞やビデオ会議なども可能だ。いわば、個人の自由な移動を追求した結果といえる。メルセデス・ベンツを保有するダイムラーの最高責任者ディーター・ツェッチェ氏は「自動車を発明したのは私たちだという自負がある。だから自動車を再発明するのは私たちしかいない」と語っている。コンセプトの段階とはいえ、ベンツの自動運転車は自動車が単なる移動手段としてではなく、移動時間を使って人がいかに有意義に過ごせるようになるかを示した。今回のショーで特徴的だったのが、この自動車メーカーとエレクトロニクスの連携だ。

 CESは毎年1月に開催され、世界の家電メーカー各社が注力する新製品を紹介するイベントとして知られる。今回、日本の家電メーカーのパナソニックはFirefox OSを搭載したテレビ、ソニーはグーグルのAndroid TVを搭載するテレビを発表した。テレビとインターネットの融合が進み、アプリケーションなどのさまざまなコンテンツをテレビで楽しめる。一方で、どのOSを使ったテレビを購入するかで、テレビの楽しみ方も変わってくる。

 CESで発表された最新テレビと同じことが将来、自動車でも始まるだろう。自動運転車のためのOSをつくるメーカーが主役に取って代わり、自動車をつくるメーカーは単なる部品供給の脇役に変わっていく可能性も否めない。また、究極のエコカーとしてEVやFCVの先にあるソーラーカーが街を走るようになるのはいつなのか。そして、最終的に消費者が選択するのはどんな自動車なのか。

 自動車メーカーだけでなく、IT、家電などさまざまな企業が、移動手段としての自動車の定義を見直し、消費者のニーズをどう満たしていくべきなのかを考え、ガソリン車に取って代わる次世代車の構想を描いて、動き始めている。
(文=松田久一/JMR生活総合研究所代表

松田久一

松田久一

JMR生活総合研究所代表

JMR生活総合研究所

 生活者の総合研究に基づいて、新しい事実を発見し、その事実から戦略を組み立て、経験を生かしたコンサルティングを通じて、クライアントの問題解決を行う。1991年に設立してから今日までの約20年の間に、年間平均250、延べ5000のテーマに取り組んできた実績を持つ。主たる領域は、食品、飲料・酒、化粧品・日用雑貨、輸送機器、家電・情報通信、流通など生活者と接点を持つ業界。日本を代表する企業のマーケティング課題のソリューション(解決)に取り組んでいる。

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