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セブン&アイ、世襲めぐり内部分裂の火種か 東電会長交代説の裏に政府の圧力か

文=編集部

セブン&アイ、世襲めぐり内部分裂の火種か 東電会長交代説の裏に政府の圧力かの画像1セブン&アイホールディングス本社(「Wikipedia」より/Kentin)

●三井物産

 今年最大のサプライズ人事の舞台は三井物産だ。4月1日付で安永竜夫執行役員が社長に昇格する。序列が上の取締役や執行役員32人を飛び越した。財閥解体を経て1959年に現在の三井物産が再スタートしてから、最年少の社長が誕生する。

 1977年、経営の神様・松下幸之助翁から指名され、松下電器産業(現パナソニック)の新社長に就いた山下俊彦氏は、先輩役員24人を飛び越えての大抜擢だった。後世、“山下跳び”と語り継がれることになったこの記録を、今回、安永氏があっさり塗り替えてしまった。

 現社長の飯島彰己氏は在任6年となるため、交代の可能性は高いとみられていた。今年に入ると、各メディアは後継者の予想を一斉に報じた。

 鉄鋼や食糧を束ねる雑賀大介副社長執行役員、本社部門の木下雅之副社長執行役員、資源・エネルギーの加藤広之専務執行役員、化学の本坊吉博専務執行役員の代表取締役4人が横一線と報じられた。昨年、三井物産は取締役でない執行役員からも社長を選べるよう定款を変更したが、候補に挙がったのは生活産業の田中聡常務執行役員だけだった。社内外で安永氏を予想した向きは皆無だったといってよく、それほどのサプライズ人事だったわけだ。

 安永氏はロシア極東の巨大液化天然ガス(LNG)プロジェクト「サハリン2」など各地でエネルギーや石油化学プラントのプロジェクトを担当。昨年度に執行役員になったばかりだ。総合商社は古くは「ミサイルからラーメンまで」といわれたほど扱う商品が多種多彩だ。トップ人事でも他業界とのバランスを重視する傾向があり、若手を大抜擢するというケースはほとんどなかった。今回の三井物産のトップ交代は業界の慣習を打ち破るものといえる。

 飯島氏は記者会見で安永氏を選んだ理由を「(社長の任期とされる)6年後も体力、気力を維持できる人を選びたかった」と説明した。現在、副社長以下の取締役は7人。最年少の人物でも57歳。飯島氏は58歳で社長に就いたが「(最近は)体力と気力が、きつくなってきた」と語る。

 今回のトップ人事が社内に与えた衝撃は大きかった。これまで60歳前後が社長適齢期とみられてきたが、一気に5歳若返った。序列が乱れたことで、社内の政治力学は大きく変わる。安永氏より年上の幹部は多数おり、当然反発が予想される。それを抑えるのが飯島氏の役目になる。

 飯島氏は会長に就き、現会長の槍田松瑩氏は4月1日付で取締役に退いた後、6月の株主総会後に顧問となる。安永新社長が自前の役員人事を行えるようになるまで、飯島氏が院政を敷くことになると見る向きが多い。

BusinessJournal編集部

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