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スカイマークのスポンサー最有力ANA、水面下でエアバスと交渉か ファンドの真の狙い

文=編集部
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スカイマークのスポンサー最有力ANA、水面下でエアバスと交渉か ファンドの真の狙いの画像1スカイマークの旅客機(「Wikipedia」より/坂部 秀治<G-TOKS>)
 佐山展生氏は一躍、時の人となった。1月に民事再生法の適用を申請した国内航空会社3位スカイマークと、スポンサー契約を結んだ投資ファンド、インテグラルの代表取締役パートナーである。スポンサー契約についてインテグラルは「利益だけを考えるファンドなら手を出せなかっただろう」としているが、同社の真の狙いはどこにあるのか。

 インテグラルはスカイマークに最大90億円のつなぎ資金を融資した。融資分を株式に振り替え、過半数の株式を握る。再生スポンサーの募集・選定などを行うフィナンシャル・アドバイザーには、佐山氏が取締役パートナーを務めるM&A(合併・買収)助言会社GCAサヴィアンが就いた。インテグラルは再生計画案の策定に向けて4人のスタッフをスカイマークに派遣した。再生計画案は5月29日までに東京地裁に提出される予定であり、6月の債権者説明会で同意を得た上で、7月下旬から承認された計画を遂行していく、というスケジュールを立てている。インテグラルは投資期間を5~6年程度と見込んでおり、スカイマークを再上場させて出資分を売却・回収するというシナリオだ。

 スカイマークが再生法適用を申請した段階での負債総額は711億円。だが大型機「A380」の解約をめぐり欧州エアバスから最大7億ドル(約830億円)の違約金を請求されており、その分の隠れ負債は含まれていない。スカイマークはインテグラルの協力を得ながらエアバスとの減額交渉に臨む。

●共同スポンサー選定

 最初のハードルは共同スポンサーの選定だ。航空業界以外からも業種を問わず幅広く募集する。運航面で支援する航空会社のスポンサー探しが最大の焦点となる。ANAホールディングス(HD)が包括提携を提案、アジア最大の格安航空会社(LCC)であるマレーシアのエアアジアや米デルタ航空も事業提携の方針を伝えた。世界最大手のアメリカン航空も近く本社幹部が来日、出資などを含めて提携の可能性を協議するという。

 全日本空輸を傘下に置くANA HDの伊東信一郎社長は「大いに関心を持っている」と述べ、出資を含む包括的な支援策を打ち出した。出資に加え、運航や整備での広範な提携を申し入れた。

 日本航空(JAL)の植木義晴社長は共同スポンサーに「手を挙げない」と表明。JALは公的資金で支援されて再生した経緯から、2016年度までは新規投資などを制限されているためだが、底流には自民党・安倍晋三政権のJAL嫌いがある。「手を挙げても、国土交通省が首を縦に振らない」と見通しているからだ。

 中国航空会社もスカイマークに関心を示しているが、航空法の規定で外資規制があり、外国人は議決権の3分の1を超える株式は保有できない。

 航空業界以外では、旅行業大手のエイチ・アイ・エス(H.I.S.)と航空機リース事業を手掛けるオリックスなどが再建を支援する意向を表明した。スカイマークは1996年、H.I.S.創業者で現会長の澤田秀雄氏が起業したが、スカイマークの西久保愼一前社長に株式を売却して経営から撤退。破綻前のH.I.S.の出資比率は6.49%で第2位の株主だったが、民事再生法適用後に大部分を売却した。現在は1.09%まで低下している。西久保氏の退任を機に、あらためて自社のツアーと航空事業の相乗効果を狙っている。H.I.S.は自社が販売する旅行商品にスカイマーク便を活用することを想定。採算性の低い路線でも、自社旅行商品の企画力を生かすことで搭乗率の向上に寄与できると考えている。出資するかどうかは今後、詰めることにしている。

BusinessJournal編集部

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