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EDの危険も?花粉症用市販薬は買ってはいけない?「悪夢」など怖い副作用も

文=へるどくたークラレ/サイエンスライター
EDの危険も?花粉症用市販薬は買ってはいけない?「悪夢」など怖い副作用もの画像1「Thinkstock」より

 関東全域がスギ花粉のピークを迎えると同時に、ヒノキ花粉の飛散も控えており、花粉症の人にとっては陽気に春の到来を喜んでいられないシーズンが続いております。

 近年、処方薬と同成分の市販薬が薬局に並ぶようになりましたが、薬価は決して安くはなく、どのタイプの薬が自分の体質に合うかを試す程度と考えたほうがいいでしょう。

 オススメは、なんといっても処方薬です。市販薬は高く、特許の期限が切れた時代遅れの薬であり、メリットがありません。花粉症用の市販薬「アレジオン10」(エスエス製薬)や、「アレグラFX」(久光製薬)は、それなりに効果はありますが、同じ成分の薬でも病院で処方を受ければ保険が適用されて7割引きとなるのです。病院の初診料などを含めても、数週間服用すればトータルで市販薬より安くなります。またアレグラの主成分であるフェキソフェナジンはジェネリック薬が出ており、それを処方してもらえば、さらに薬価が半額くらいになります。

 さらに処方薬では、効き目は少し弱いけれども人によっては十分な効果が得られるクラリチン(ロラタジン)、効き目の強いザイザル、エバステル、タリオンといった薬を選択することもできます。また近年は、ロイコトリエン拮抗剤のシングレア(モンテルカスト)がアレルギーにも使われるようになってきており、第2世代抗ヒスタミン剤などと併せて、眠気をほとんど誘発せずに症状を抑え込むことができます。

 点鼻薬も、血管収縮剤であるナファゾリン含有の市販薬は買わないほうがよいでしょう。処方薬のステロイド系のナゾネックスなどを少ない回数使うのが効果的で、費用も圧倒的にお得です。

 2013年から販売されているディレグラはアレグラの上位版で、アレグラと同じフェキソフェナジンにプソイドエフェドリンが多量に含まれているのですが、効き目はタリオンにはかなわないので、好みの分かれるところです。薬価も安くないので、オススメしないという医師が多いのが現状です。

 また処方薬ならではの最終兵器ともいえる、内服用ステロイドのセレスタミンなどは免疫作用自体を抑え込むので、服用すると快適に過ごすことができます。ただし、効き目が強いため、使う期間などを医師とよく相談して、体質との相性などを細かく確認するようにしましょう。

アレルギー薬でEDに

 ちなみに、これらの処方薬は、耳鼻科以外にも、内科や内分泌科、整形外科などでも診察さえ受ければ処方してもらうことは可能ですし、特に花粉症シーズンはどこの病院でも対応してくれるでしょう。混雑が予想される耳鼻科ではなく、すいているクリニックを見つけて処方を受けるのがオススメです。できれば、最寄りにホームドクターを見つけておくと心強いのは言うまでもありません。

 さて、最後にアレルギーの意外な副作用をお知らせします。

「第2世代の抗ヒスタミン剤は夢見が悪い」といわれることが多く、実際にアレグラやアレジオンの添付文書の副作用欄には「悪夢」とあります。発生する確率はそれほど高くないのですが、睡眠の質が悪くなることも起こり得ます。

 さらに意外な副作用としては、男性には恐ろしい勃起不全(ED)の可能性があります。EDといっても完全に勃たないというほどではなく、勃ちが悪い、射精が少し困難といった軽度の機能障害が起こることがあり、このような症状が出た場合は、バイアグラなどの勃起不全治療薬が必要になるかもしれません。

 このような副作用が出た場合、恥ずかしがらずに早めに医師に相談してください。
(文=へるどくたークラレ/サイエンスライター)

へるどくたークラレ

へるどくたークラレ

覆面の不良科学屋。添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、『アリエナイ理科ノ教科書』の著者、SFやミステリーの設定やトリックの監修も務める。こっそり大学でも教養課程で科学を教えていたりする。過去の連載をまとめた『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』は好評発売中。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。

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