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ボート「絶対不利」6コースにこだわる「究極のアウト屋」阿波勝哉の美学

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 ボートレースは、内寄りのコースが優位な競技だ。1コースの1着率がもっとも高く、外コースになればなるほど1着率は下がる。1コース1着率は約40%、6コース1着率は約4%と10倍の開きがある。選手の多くはひとつでも内のコースを狙う。ボートレース独特のコース争い=進入争いは、基本的には内のコースを獲り合う駆け引きで、選手はスキあらば内に入ろうとする。

 しかし阿波勝哉(3857 東京)はもっとも不利な6コースでのみ走る。他選手がもっとも嫌う6コースへ、1号艇であっても一目散に艇を向ける。

 デビューして間もない頃は、1号艇なら1コース、2号艇なら2コースと、艇番通りのコースで戦い、きっちり勝っていた。しかし阿波はそうしたレースを嫌った。無骨な阿波はコース取りの細かな駆け引きを捨て、アウトから一気に捲りにかかるスタイルを貫いた。

 もちろん不利なアウトコースで戦うのだから、成績は上がっていかない。フライングも多く、F3(フライングを3回行うと半年間出場停止)を3度も経験し、プロの選手ながら土方で生計を立てることもあった。

 それでも、阿波は6コース一本で戦うことを選んだ。そして、阿波はそのスタイルで勝つためにチルトを跳ねることを選び、異次元の伸びを手に入れた。

 チルトとは、モーターをボートに取り付ける角度のことで、0.5度単位であらわされる。数値が低ければ出足型、高ければ伸び型になる。早い出足でのスタートが重要視される現代のボートレースではチルト角度をマイナス0.5度(もっとも低い取り付け角度)にする選手がほとんどだ。

 しかし、阿波はチルトを可能な限り高い角度に設定して、レースに臨む(チルトを高い角度にすることを「跳ねる」と表現する)。特にチルト3度でのレースは圧巻だ。

 スタート後の直線、他艇とは明らかに違うスピードで一気に抜き去り、そのまま内を飲み込むようにまくり切ってしまう。チルト3度が阿波に超絶な伸びを与えた。

 チルト3度は、現在の規定ではもっとも高い角度。つまり阿波は究極の伸び型でレースを戦うのだ。すべてのボートレース場でチルト3度が採用されているわけではない。チルトを跳ねるほど、ターンが不安定になり転覆などの事故に繋がりやすい。コースの幅が狭いレース場などでは危険とされ、場によって0.5度、1.5度と規制される。

 他レーサー達はチルト3度では、とてもターンが出来ないと口にする。阿波を真似た選手がチルト3度の阿波仕様で走った際、ターンが出来ずに転覆してしまうことも相次いだ。

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