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セブン&アイ最高権力者・鈴木敏文会長の荒業 次男への世襲、新浪サントリー“切り”

文=編集部

 コンビニ大手5社の15年2月期決算でセブンは独り勝ち。消費増税の逆風下でもセブンの営業利益は4年連続で過去最高を更新し、営業利益2233億円は他4社合計のそれの1.8倍に相当する。セブンの1強が鮮明になった。

 しかし、セブン&アイHDの収益構造がコンビニ頼みになっているという課題もある。15年2月期決算によると、連結営業利益3433億円のうちコンビニ事業が実に80.6%を占め、スーパーストア事業は5.6%、百貨店事業は2.0%にとどまる。14年1月に買収したニッセンホールディングスなどの通信販売事業は75億円の赤字だ。スーパーストア事業であるイトーヨーカ堂の営業利益は18億円にすぎず、最終損益は3期ぶりの赤字だった。

 セブン&アイHDは15年2月期決算で5期連続最高益になったものの、会社側の当初予想に対して売上高(営業収益)、営業利益とも未達となり、アナリストの市場コンセンサスも下回った。稼ぎ頭のセブンをもってしてもイトーヨーカ堂の苦戦をカバーできなかったわけだ。17年4月の再増税に向け、株式市場では「イトーヨーカ堂の事業売却も含め、抜本策を検討すべきだ」との声が出ている。

新浪社長就任のサントリーへの仕打ち

 4月、敏文氏の威光を見せつける出来事があった。セブン&アイHDは日本コカ・コーラと共同企画した缶コーヒーを4月21日から発売。新製品にはセブン&アイのPB(プライベートブランド)「セブンプレミアム」のロゴと、コカ・コーラの「ジョージア」のロゴが併記されている。イトーヨーカドーやセブンなどでの限定販売だ。これまで缶コーヒーはサントリー食品インターナショナルと組み、14年1月から「ボス」ブランドで共同企画商品を展開してきた。ところが、わずか1年余りでサントリーからコカ・コーラにくら替えした。

「これは、昨年10月にサントリーHD社長に就任した新浪剛史氏に対する敏文氏の遺恨です。新浪氏はローソンの社長時代、事あるごとに敏文氏批判を展開していました。サントリーHD社長に就任した新浪氏が就任挨拶のために敏文氏の元へ出向こうとしたところ、敏文氏はこれを拒否。仕方なく佐治信忠会長が新浪氏の名代で挨拶に行ったといわれています」(業界筋)

創業家との関係

 そんな敏文氏はオーナー経営者ではない。創業者は伊藤雅俊・名誉会長で、雅俊氏には2人の息子がいる。長男の裕久氏は02年、イトーヨーカ堂専務を最後に退社した。雅俊氏の後継者と目されていたが、当時セブン&アイHDの最高実力者になっていた敏文氏との確執が噂されていた。

BusinessJournal編集部

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