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ベネッセ、本当の危機 会員減少が止まらず深刻化 ライバルの草刈り場に

文=編集部
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 ジャストシステムは日本語ワープロソフト「一太郎」で一時代を築いたが、世界標準になれず経営が悪化。09年4月、FAセンサーを手がけるキーエンスの傘下に入った。再生の柱として取り組んだのがタブレット通信教育だった。

 12年11月にスマイルゼミを開始。自社開発の端末を配り、教材を配信した。既存の紙のテキストを使った通信教育は添削したペーパーが戻るまでに時間がかかるが、タブレット上で教材を提供することによって、生徒はわからない問題があってもその日のうちに解決できるようになった。スマイルゼミはタブレット通信教育の先駆けとなり、ヒットした。16年3月期の業績見通しは開示していないが、アナリストは「売り上げは2ケタ増、営業利益は過去最高を更新」と予想している。

 ジャストシステムの躍進に脅威を感じたのが、通信教育の先発企業であるベネッセHDと、通信教育「Z会」を手がける増進会出版社だ。両者は昨年11月に合同記者会見を開催し、ベネッセはタブレット端末を使った新しい英語教材「Challenge English」を、増進会は添削のやりとりをオンライン化した「iPadスタイル」をスタートさせると発表した。ライバル企業が合同会見を開くのは極めて異例である。ジャストシステムの「スマイルゼミ」に侵食されてきたことに対する危機感の表れにほかならない。

垣根を越えたM&A加速

 学習塾業界は停滞している。今後、少子化の影響で生徒数の増加が見込めないため、将来を見据えた合従連衡が盛んだ。予備校は低年齢の市場に参入している。

 そんな中、通信教育は塾業界に殴り込みをかけた。ベネッセHDはお茶の水ゼミナールや東京個別指導学院、子供向け英会話教室ミネルヴァインテリジェンスを次々と傘下に収めた。

 また、増進会は「栄光ゼミナール」などの学習塾を運営する栄光HDを買収する。増進会は現在、栄光HD株式29.41%を持つ第2位の株主であり、子会社を通じて栄光HDのTOB(株式公開買い付け)を実施する。筆頭株主の進学会はTOBに応じる。買い取り価格は1株1550円で、買収額は137億円。買い付け期間は6月19日から7月31日までだ。

 栄光HDの買収で、増進会の連結売上高は600億円を超える。通信教育、学習塾の二眼レフ経営の企業としては、ベネッセHD、学研ホールディングス(14年9月連結売上高901億円)に次ぐ規模になる。

 少子化で子供の獲得競争が激化する中、業態の垣根を越えたM&A(合併・買収)の動きは活発化しつつある。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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