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リップクリームに発がん性?依存症で唇にダメージの恐れ 「無添加」は要注意

文=村上純一/医療ジャーナリスト
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リップクリームに発がん性?依存症で唇にダメージの恐れ 「無添加」は要注意の画像1「Thinkstock」より
 本州は梅雨シーズン真っただ中で、空気が湿っています。しかし、このような季節にあっても唇がカサカサして、リップクリームが手放せないという人がいるようです。

 実はそのような人は、「リップクリーム依存症」の可能性があります。秋から冬の乾燥する季節に一日3~4回、唇にリップクリームを塗布する程度ならば、まったく問題ありません。それ以上頻繁に塗っている、もしくは一年中手放せないという人は要注意です。

 皮膚の新陳代謝、すなわち生まれ変わりを「ターンオーバー」といいます。皮膚は表皮、真皮、皮下組織から成り、さらに表皮は内側から基底層、有棘層、顆粒層、角質層と4層構造になっています。基底層でつくられた細胞がゆっくりと表面まで押し上げられ、最終的にはアカとなってはがれ落ちます。

 このターンオーバーは、ほとんどの皮膚においては1カ月程度のサイクルですが、角質層が極めて薄い唇は約1週間といわれ、極めて早い周期で生まれ変わりを繰り返しています。

 角質層が薄いということは、保水力が弱いことを意味します。また、皮膚の表面は脂成分がクリーム状になった皮脂膜が表皮の上を覆っていますが、皮脂腺がない唇には皮脂膜もないため、乾燥しやすくなっています。

 そのため、湿度が低い季節には唇が荒れやすいのですが、頻繁にリップクリームを塗ると、摩擦で炎症を起こしたり、ターンオーバーによる自己治癒力を弱めることになるのです。

リップクリームの選び方

 一口にリップクリームといっても、大きく化粧品、医薬部外品、第3類医薬品の3つに分けられます。

 化粧品は、保湿を主眼に置いたものであり、荒れを予防することはできますが治すことはできません。有効成分も少ないため、すでに唇が荒れている場合にはあまり役に立ちません。医薬部外品は、いくつかの有効成分が入っているため、荒れ始めには有効です。最後の第3類医薬品は治療を目的としているため、ひび割れて出血していたり炎症を起こしているケースに効果的といえます。

 これらを使い分けることで、必要最低限の使用量で唇を自然な状態に戻し、なるべく早く使用をやめるように心がけましょう。また、使用する製品によっても、唇へのダメージも大きく異なります。

 BHTなどの酸化防止剤、パラベンなどの防腐剤は、人気商品の多くに添加されていますが、発がん性があります。唇に危険な添加物を塗布すれば、少量とはいえ繰り返し摂取することになります。成分を確認し、香料、酸化防止剤、防腐剤、合成着色料が入っていない製品を選ぶといいでしょう。

 とはいえ、単に「無添加」と記載されている製品には要注意です。例えば、「無添加化粧品(アルコールフリー)」との記載があっても、合成アルコールが入っているケースはよくあります。エタノールさえ入っていなければ、アルコールフリーと表示することができるためです。同じように、パラベンやラウリル硫酸Naなどの一部の成分が入っていないだけで「無添加」としている例は多くあります。何が無添加なのかを見極める必要があります。

 リップクリームの使い方を覚えたところで、次は乾燥しないようにする方法を身につけましょう。唇が乾燥してしまう原因としては、唇をなめる、口呼吸をしている、緊張しやすい、お菓子をよく食べるなどの偏食、ビタミン不足、リップクリームの使いすぎが挙げられます。間食が多い人は、無意識のうちに唇をなめる回数が増えます。また、常に口が開いている人は、口で呼吸することで唇が乾燥します。自分で原因を探り、乾燥しないように心がけ、秋口の本格的な乾燥シーズンまでに正常なターンオーバーのリズムを整えましょう。

村上純一/医療ジャーナリスト

村上純一/医療ジャーナリスト

医療ジャーナリストとしてWEBメディアを中心に執筆中。

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