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疑惑まみれの新国立競技場、謎の予算膨張に文科省沈黙、審査委員長が衝撃暴露

文=平沼健/ジャーナリスト

 6月30日付当サイト記事『アーチ1本5百億円…新国立競技場、入札でJSCが不正疑惑、予算巨額膨張を隠蔽か』において、新国立競技場の建設費をめぐって文部科学省や日本スポーツ振興センター(JSC)の不自然な対応が、さまざまな疑惑を呼んでいると言及した。

 2020年東京オリンピック・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場だが、総工費が当初予算の1300億円を大幅に上回る2520億円に膨れ上がったことで、文科省とJSCの責任を求めると共に、建設計画の見直しを求める声が高まっている。

 文筆家の乙武洋匡氏、神戸親和女子大学発達教育学部ジュニアスポーツ教育学科講師の平尾剛氏をはじめ、オリンピックメダリストの有森裕子氏、為末大氏らが新国立競技場建設に反対の意を示している。また、インターネット上では署名活動も活発で、7月13日現在、複数の署名サイトで延べ5万人を超える署名が集まっている。さらに、ニュースサイトの「YOMIURI ONLINE」や「BLOGOS」をはじめ、さまざまなメディアでアンケートを実施しているが、軒並み計画の見直しを求める意見が9割を超える高い割合を占めている。

 しかし、安倍晋三首相は10日の衆院平和安全法制特別委員会で民主党の辻元清美氏の質問に対し、新国立競技場のデザインについて「変えることが可能かどうか検討している」と述べつつ、「間に合わない可能性が高いとの報告を受けている」と語り、現実には計画の見直しは困難と説明した。

責任の所在は、あいまいなまま

 そんな中、新国立競技場のデザイン選考に当たって審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が11日放送の『ウェークアップ! ぷらす』(日本テレビ系)の中で、騒動に関して初めてコメントを発表した。

「安藤忠雄建築研究所」名義で番組に寄せたファクスによると、「コンペの与条件としての予算は1300億円であり、応募者も認識しています。提出物には建築コストについても示すように求められていました。それは当然評価の一つの指標となりました」と言及し、デザインは予算内に収まる前提で提出されているはずだったとの認識を示した。下村博文文部科学大臣が10日の閣議後の会見で「値段とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」と批判し、「なぜ堂々と自信を持ってザハ氏の案を選んだのか、国内外にその重要性をなんらかのかたちで発言してほしい」と要求したことに反論したかたちだ。

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