JRA「禁止薬物とばっちり」ダノンスマッシュ仕切り直しの圧勝なるか。キーンランドCは勝利必須
25日、札幌競馬場でキーンランドC(G3、芝1200メートル)が開催される。最有力候補と目されるダノンスマッシュ(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)について検討する。
ダノンスマッシュは禁止薬物問題で函館スプリントS(G3、芝1200メートル)を除外になり、ここは秋のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)に向けた仕切り直しの一戦となる。最終追い切りは札幌・芝(稍重)で行い、5F67秒9-1F11秒5とシャープに伸びた。函館スプリントS除外の影響はなさそうで、キーンランドCにはほぼ万全の状態で出走できるだろう。
ならば前走の高松宮記念(G1、芝1200メートル)で1番人気に支持され、ここでも1番人気になりそうなダノンスマッシュを素直に信頼してもいいのではないか。
「高松宮記念は7枠13番からのスタートで好位に取りつくまで苦労しています。しかも、当日は内先行が有利な馬場。直線で馬場の外目を追われたダノンスマッシュには不利でした。マイル路線からスプリント路線に転向した昨年夏以降の成績は素晴らしく京阪杯(G3、芝1200メートル)とシルクロードS(G3、芝1200メートル)で重賞を連勝したのは底力の証明です。
高松宮記念ではいくつかの不利があって敗れたとはいえ、勝ち馬からは0.2秒差の4着。大きく負けているわけではありません。今回は別邸57キロを背負うことになりますが、本番スプリンターズSと同じ斤量。これに泣いているようではここでもスプリンターズSでも勝負にならないでしょう」(競馬ライターA)
現在のスプリント界を代表する1頭がダノンスマッシュであるというのは間違いではないだろう。ただし。ダノンスマッシュを最強のスプリンターと認めることについては疑問もあるようだ。
「昨年のキーンランドCは鞍上J.モレイラ騎手のナックビーナスが逃げ切りで優勝、ダノンスマッシュは2着でした。ナックビーナスというのは不思議な馬で、相手が弱ければ好走、相手が強ければ凡走するという傾向があります。自身は一定の能力をほぼ出し切っているのでしょう。
つまり、昨年のキーンランドCはレベルの高いレースとは言えず、ナックビーナスから2馬身半話されたダノンスマッシュはホンモノではない可能性があります。先行馬なので上がりの速さを重視する必要はないのですが、昨年のキーンランドCでも今年の高松宮記念でも直線ではジリジリとしか伸びていません。
とはいえキーンランドCはG3のスプリント戦。ダノンスマッシュが京阪杯やシルクロードSのように楽勝しても不思議ではありません。ただし、本番スプリンターズSでも好走できるタイプではないかもしれません」(競馬ライターB)
競馬はあるレースにおける相手関係を考慮した面として考えることも大切だが、レースが連続する戦として考えることも重要だ。たとえば、先週の北九州記念(G3、芝1200メートル)ではスプリント戦で圧倒的スピードを誇るモズスーパーフレアが4着に負けたが、人気を落とすスプリンターズSでこそ狙うという作戦も立てられることになった。モズスーパーフレアが最も得意とするのは中山のスプリント戦だからだ。
モズスーパーフレアとは逆に、ダノンスマッシュにキーンランドCを勝ってもらい、人気となるスプリンターズSで評価を落とすという作戦も考えられる。現実に1番人気の高松宮記念で4着に負けたダノンスマッシュはすでに戦犯なのだ。同じことがスプリンターズSで再現される可能性もある。
ダノンスマッシュの鞍上予定は川田将雅騎手。高松宮記念までの主戦は先行してのなだれ込みが得意の北村友一騎手だったが、先行しながらラストの爆発力も引き出せる川田騎手への乗り替わりは明らかにプラス。キーンランドCに限ればダノンスマッシュは連軸にふさわしい1頭だ。
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