元JRA安藤勝己氏、七夕賞(G3)内田博幸「確信のイン突き」大絶賛! 「確信がないと内に突っ込めない」2012年、ゴールドシップの“神騎乗”再び!
12日、福島競馬場で行われたサマー2000シリーズの開幕戦・七夕賞(G3)は、3番人気のクレッシェンドラヴ(牡6歳、美浦・林徹厩舎)が優勝。重馬場をものともしない力強い伸び脚で、昨年2着のリベンジを果たした。
勝負強い“ウチパク”が帰ってきた。16頭立てで行われた芝2000mのレース。スタートに課題があるクレッシェンドラヴだけに、この日も出足は一息だったが、これが10戦連続での騎乗となる主戦・内田博幸騎手は「内で包まれず馬場のいいところを」と冷静だった。
1コーナーを回った時点では後方12番手だったが、向正面から馬群を縫うようにポジションを上げ、最後の直線入り口では先頭集団を射程圏内に。最後は福永祐一騎手のブラヴァスとの一騎打ちとなったが「持ち前のスタミナで頑張ってくれました」と、タフな馬場コンディションも味方した格好だ。
「こんなこと、なかなかないとは思うんですけどね」
これで内田騎手は先週のラジオNIKKEI賞(G3)に続く、重賞連勝。大井のトップジョッキーとして、2008年に鳴り物入りで中央移籍を果たしてからは、ゴールドシップやヴィルシーナとのコンビで大舞台を沸かせた。
しかし、ここ数年は勝ち星も伸びずに、大レースから遠ざかっている日々……先月のエプソムC(G3)で久々の重賞勝利を飾ると、ここに来て重賞騎乗機会4戦3勝の大暴れだ。
「1つ1つのレースをしっかり頑張って、1つずつ結果を出して行けば、必ずチャンスはどこかに出てくる。それを『しっかり掴んで行ければ』という思いで、ずっとやっていました。自分のお手馬で、上位人気馬で勝てたことが一番かなと思います」
勝利騎手インタビューで、そう思いを噛みしめた内田騎手。この日、2着に負かしたブラヴァスが、かつて自身が主戦を務めたヴィルシーナの仔というのも、何かの縁なのかもしれない。
「まるでゴールドシップの皐月賞(G1)を彷彿とさせるような騎乗でした。あの時も雨の影響もあって各馬が4コーナーで外を回る中、内田騎手は内過ぎず外過ぎない絶妙なライン取りで、一気に先頭集団を射程圏に入れて勝ち切りました。そういえば、あの時の2着も福永騎手(ワールドエース)でしたね」(競馬記者)
この快勝劇には、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterを通じ「内田がバッチリ道悪適性を掴んでた。確信がないとあそこで内に突っ込めないよ。いいコンビや」と内田騎手の手腕を絶賛。クレッシェンドラヴを完全に手の内に入れている「人馬の絆」がもたらした勝利だった。
開幕戦を制したことで、今年のサマー2000シリーズの主役に躍り出た内田騎手とクレッシェンドラヴ。今回は1月の中山金杯(G3)以来のレースだっただけに「ここを使えば、馬はもっと良くなる」と内田騎手も今後の上積みに期待している。
「これからを楽しみにしてもらえればと思います」
勝利騎手インタビューを力強く締めくくった内田騎手。クレッシェンドラヴの次走はまだ決まっていないが、夏の王者として秋の大舞台に進むことに期待したい。
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