JRA「僕のミスです」痛恨の200連敗、主戦降板から7カ月……野中悠太郎はオセアグレイトの重賞初制覇に「何」を思う? 横山典弘騎手はステイヤーズS(G2)6勝目
5日、中山競馬場で行われた名物レース・ステイヤーズS(G2)は、7番人気のオセアグレイト(牡4歳、美浦・菊川正達厩舎)が優勝。スタミナ自慢が揃った一戦を制し、来年の天皇賞・春(G1)へ大きく名乗りを挙げた。
レース後の勝利騎手インタビューで「疲れました」と笑ったのは、オセアグレイトを重賞勝利に導いた横山典弘騎手だ。この日は3番手の好位から追走し、最後の直線で逃げ馬を図ったかのように捉える完璧な内容だった。
これには元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「条件戦時代から見せてた心肺機能をノリが引き出した」と横山典騎手の手腕を称賛。「長距離は騎手の腕」と言われるが、横山典騎手はこれでステイヤーズSは岡部幸雄騎手の7勝に次ぐ6勝目だ。
今年2月のダイヤモンドS(G3)で2番人気に推されるも3着だったオセアグレイトが、52歳の大ベテランの導きでついに重賞初制覇を果たした。
一方、この勝利を複雑な心境で見守ったのは「元」主戦の野中悠太郎騎手ではないだろうか。
昨年の3月から今年の5月まで、9戦にわたってオセアグレイトとコンビを組み続けていた野中騎手。これまでの4勝すべてを挙げるなど、まさに二人三脚で一歩ずつ階段を上ったコンビだった。
試練が訪れたのは、今年5月のメトロポリタンS(L)だ。前走のダイヤモンドSで3着だったオセアグレイトは1番人気。これまで2400mは4走して2勝2着1回3着1回と複勝率100%だったことからも、妥当な評価といえた。
しかし、結果は5着。レース後、野中騎手が「スローペースだったので途中で動いて行きたかったのですが、動けるスペースがありませんでした」と話した通り、2枠2番からスタートしたオセアグレイトは好位をキープしたものの、周囲を囲まれて動くに動けず……。
3、4コーナーで次々とライバルの進出を許すと、8番手まで位置を下げたオセアグレイト。最後の直線では、上がり3ハロン最速の末脚で巻き返したものの5着が精一杯だった。
「内枠がアダになったのもありますが、僕のミスでもあります。すみませんでした」
レース後、そう謝罪した野中騎手は、この敗戦を機にオセアグレイトの主戦を降板……ステイヤーズS当日も中山で騎乗したが、元相棒の背中には大先輩の横山典騎手がおり、見事重賞制覇に導いた。
「メトロポリタンS当時、野中騎手は1月から勝てずに200連敗を喫するなど不調の最中でした。本人がミスと認めている通り、その辺りが慎重になってしまった要因かもしれません。
今年も6月に単勝290.1倍の最低人気馬で逃げ切って勝利したように、元々は『野中“穴”太郎』と称されるほど思い切った騎乗ができる騎手。メトロポリタンSは、本人にとっても痛恨の敗戦だったと思います」(競馬記者)
PICK UP
Ranking
23:30更新- 田辺裕信「痛恨ミス」に降板を期待する声も浮上?超大物馬主が「何やってんだよー」のご立腹…一石投じたファンとのやり取りに注目集まる
- C.ルメール「12戦全敗」で連覇に審議ランプ点灯?ライバル川田将雅は7勝の猛チャージ…ドバイワールドカップデーで注目の直接対決
- 「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
- 大阪杯は最強5歳世代に注目!イクイノックス、ドウデュース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスを【完封】したジオグリフに復活の予感!
- 【ドバイターフ(G1)展望】武豊×ドウデュース「凱旋門賞制覇の夢」に向けて仕切り直し!ロードノースの4連覇を阻んで“夢”実現へ
- 皐月賞馬サートゥルナーリア×桜花賞馬ハープスターで「シーザリオ×ベガ」の超名牝系タッグ! 2024年新種牡馬筆頭は「第二のスワーヴリチャード」を許さない?
- 【大阪杯】ノーザンファームの「締め出し作戦」が大成功?フルゲート16頭に11頭の大攻勢…「幻の1番人気候補」が無念の門前払い
- 「競馬の神様」は実に意地悪だ!キャプテン渡辺のWIN5あるある…「これだけはやめてね」という相手が異常な確率で来る問題【徒然なる神のくず競馬トーク】
- ダービー「当確級」の逸材が皐月賞参戦!過去にキズナ、シャフリヤールらが条件クリア、浜中俊VS坂井瑠星の「第2ラウンド」も勃発?
- 【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
関連記事
JRA川田将雅「兄や母の血が騒ぎ出した」レイパパレ無敗5連勝も、遠ざかる女王デアリングタクトの背中。「狂気の一族」兄はホープフルS制覇も、最後は…
JRA有馬記念(G1)武豊騎手「騎乗馬」に憶測が飛び交う!? ジャパンカップ6着キセキ乗り役「決定」もなお残る「鞍上問題」
JRA川田将雅「香港国際競走」お手馬3頭も遠征なし! 「コントレイルのような馬に……」国内居残りは「あの馬」が影響か!?
JRA武豊「大物問題児」にベタ惚れ!? 「能力はかなり高い」キングカメハメハ、アドマイヤベガに続くダービー街道へ驀進!
JRAアーモンドアイ引退で人気に陰り……有馬記念(G1)C.ルメールなど「騎乗馬確定」で浮かび上がるシルクレーシングの苦境!?