JRA三連単「285万円」の大波乱! C.ルメールに日本ダービー(G1)を意識させた「史上最高配当」の立役者が新天地へ
新天地での復活なるか――。
17日、川崎競馬場で行われる麻生オープンに、元JRA所属馬コズミックフォース(牡5歳、大井・藤田輝信厩舎)が出走を予定している。
本馬は8月21日にJRAの登録を抹消。新天地での復活を賭け、大井の藤田輝信厩舎に転厩していた。
今回が地方競馬での初出走となるが、ダート戦は中央で経験積み。オアシスS(L)とアハルテケS(OP)ではともに5着と健闘しているだけに、大井での活躍が期待されている。
コズミックフォースといえば父にキングカメハメハ、2008年の阪神JFの3着馬ミクロコスモスを母に持つ良血馬。デビューから2戦をC.ルメール騎手が騎乗したように、将来を期待された馬であった。同騎手は未勝利戦を勝ち上がった際に「これからもっと馬が良くなってくれば、来年のダービーに出られると思いますよ」とその素質を高く評価していた。
3戦目の京成杯(G3)では、初重賞ながらも2着と健闘。4戦目のすみれSを5着に敗れ、皐月賞出走は叶わなかったが、ルメール騎手のコメントからはその期待度が窺い知れた。
「もう少し距離が欲しい。それに、エンジンのかかりが遅いので広いコースの方がいいね。府中の2400mならまた違うと思うよ」
未勝利勝ちの際にコメントした言葉は決してお世辞ではなく、本気で日本ダービーを目指せる馬だと感じていたのだろう。
日本ダービーへの最終切符、プリンシパルSで接戦をものにしたコズミックフォースは無事に本番へ。しかし、3歳ナンバーワンを決定するダービーの舞台。意外にも16番人気という低評価であった。
プリンシパルSを勝った馬としては単勝オッズ223.7倍と人気薄。これまで殆どのレースで鞍上を務めてきたルメール騎手がステルヴィオ(6番人気)を選択し、G1実績が見劣る石橋脩騎手へと乗り替わったこともあるのだろう。
だが、この大一番でコズミックフォースは最高の走りを披露したのである。
レースでは好スタートを切ったコズミックフォースが積極的な先行策。外から皐月賞馬エポカドーロがハナを奪うと、2列目の外でレースを運んだ。
3コーナーでは外から進出し、逃げるエポカドーロと真っ向勝負。最後の直線では外から迫ったワグネリアンが前2頭を差し切ったが、2着エポカドーロとは僅かクビ差の接戦だった。
16番人気のコズミックフォースが3着に入線したことでレースは大荒れ。三連単は「285万6300円」と、日本ダービー「史上最高配当」を記録した。
あれから約2年半、今度は大井の舞台で再出発を果たすコズミックフォース。芝で頂点に立つことはできなかったが、地方で再び輝きを取り戻すことが出来るだろうか。
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