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パチンコ「不遇の時代」を支えた名機! 昭和を代表する人気タイトルの軌跡

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 1960年~1970年代のアニメ勃興期にたくさんの良質なコンテンツが生み出された。これらは「アニメの古典」とも呼べる作品群であり、パチンコ・パチスロの版権としても多く取り扱われている。

 そのなかのひとつが『CRヤッターマン』である。アニメ制作会社・タツノコプロによって制作されたSFギャグアクション「タイムボカン」を端緒に同一のコンセプトやフォーマットを下敷きにしたアニメシリーズをタイムボカンシリーズと呼ぶが、そのなかでもとりわけ人気の高かったコンテンツが「ヤッターマン」であった。

 正義のヒーローと悪の集団が対立する勧善懲悪のシナリオを基本とするが、タイムボカンシリーズに登場する悪役三人組は個性的で魅力たっぷりのキャラたちで、むしろ主人公たちより人気があるアンチヒーローとして作品のなかで輝いていた一面もある。

 ほかにも定番の掛け合いやユニークなロボットキャラなど「ヤッターマン」の魅力には枚挙にいとまがないが、だからこそ、発売当時のコアなファン層の年代を直撃するこの機種は好感を持って迎え入れられたのである。

『CRヤッターマン』が登場したのは2001年。宇宙の旅ははじまっていなかったが、小泉純一郎を内閣総理大臣とした政権が構造改革をスタートさせ、皇太子妃(当時)雅子さまの出産など、時代の節目を感じさせる出来事が多かった印象もある。

 パチンコ的にいえば5回リミッターの規制が緩和されたとはいえ、通常大当りに時短が付与されない確変50%のスペック開放夜明け前。画一的な性能しか出せない不遇の時となっていた。

 それでも、原作アニメの世界観を巧みにパチンコ要素へと落とし込んだ演出面は秀逸のデキで、「メカ系リーチ」と「ドロンボー系リーチ」の二軸で展開されるスペシャルリーチといったシリーズ共通の構成は、この時点であらかた出来上がっていたのである。

 また、ブタが木に登る「おだてブタ予告」ではブタが木から落ちる回数によって発展すれば大当りとなるリーチが存在。打つほどに知るほどに面白くなれる打ち込み要素が加わるなど、奥行きのある内容となっていた。

 ちなみに、この初代は平和からリリースされていたが、3作目の『CRヤッターマン天才ドロンボー只今参上!』以降は、三洋ブランド・サンスリーへとメーカーを移し、現在まで3作が登場している。

 また、『CRドロンジョにおまかせ』といったスピンオフマシンも登場。これは同じような国民的アニメをタイアップした『CRルパン三世』シリーズから女性キャラをフィーチャーした『CR不二子におまかせ』をロールモデルにしたフォーマット展開であり、このような受け皿の広さからもコンテンツの力を感じられる。

 確かな実力を持つコンテンツとメーカーの融合によって生み出された傑作である。

(文=大森町男)

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