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JRA武豊と歩んだ「2013年」王道路線と300万馬券演出……田所秀孝調教師「合計51年」で平地G1に惜しくも届かず

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JRA武豊と歩んだ「2013年」王道路線と300万馬券演出……田所秀孝調教師「合計51年」で平地G1に惜しくも届かずの画像1

 JRAでは、28日をもって8人の調教師が引退・勇退を迎える。そのうちの1人が田所秀孝調教師だ。

 田所調教師は、騎手として25年、調教師として26年。あわせて50年以上にわたるホースマン人生を歩んできた。騎手としては遂げられなかったG1制覇の夢。調教師としては、2018年の中山大障害をニホンピロバロンで制し、それを実現させている。

 一方、平地G1では、31戦して「0-1-0-30」と苦戦。そんな田所調教師が平地G1制覇に最も近づいたのが、2012年の阪神JFだった。

 柴山雄一騎手とのコンビで臨んだのは芦毛のクロフネ産駒、その名もクロフネサプライズだった。突出した存在がいなかった2歳女王決定戦は、コレクターアイテムが1番人気に支持され、5頭が単勝10倍未満という混戦模様。そんななか、クロフネサプライズは、単勝89.9倍の15番人気という伏兵的存在だった。

 レースは、タガノミューチャンがハナを切りハイペースで飛ばすと、クロフネサプライズは2番手を確保。直線早めに先頭に立ち粘り込みを図るが、残り100m地点でローブティサージュに外から交わされてしまう。そのまま失速するかに見えたクロフネサプライズだったが、鞍上のムチに応え、もうひと伸び。内から差し脚を伸ばしたレッドセシリアと3頭が馬体を併せたところがゴールだった。

 結果はローブティサージュが優勝。クロフネサプライズはクビ差及ばずの2着だったが、その激走は3連単300万円超えの“サプライズ”配当をもたらした。

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 その後は、デビュー戦以来となる武豊騎手を鞍上に迎え、チューリップ賞(G3当時)で始動。前走がフロック視されたのか、この時は単勝6.5倍の3番人気でレースを迎えた。

 好スタートを切った武騎手とクロフネサプライズ。そのままハナを奪うと、抜群の手応えで4角へ。直線に入ると、そのスピードは落ちるどころか、上がり2位の末脚を発揮し、終わってみれば、2着に3馬身半差をつける圧巻の逃げ切り勝ちを収めた。ちなみに、武騎手がクロフネ産駒で重賞を制したのは、今のところこのレースだけである。

 最重要トライアルを制したクロフネサプライズ。満を持して臨んだのは、もちろん桜花賞(G1)だった。チューリップ賞の勝ちっぷりが評価され、この時は単勝2.8倍の1番人気に支持された。

 再び手綱を取った武騎手を背に五分のスタートを切ったクロフネサプライズ。ハナを主張したサマリーズを内に見ながら徐々に位置を上げ2番手を追走した。しかし、武騎手が「前半から力んでいた」と語ったように、この日のクロフネサプライズはやや折り合いを欠き、3角過ぎには先頭に立っていた。直線では馬場の三分どころを進んだが、残り200m地点で外からアユサンが急襲。さらに外からレッドオーヴァルに交わされ、最後はプリンセスジャックの後塵も拝し、4着という結果に終わった。

 後日、田所調教師は桜花賞の敗戦を振り返り、「期待に応えられず競馬の恐ろしさを感じました」とその胸の内を明かしている。

 15番人気で2着に激走した阪神JFから始まった牝馬の王道路線。チューリップ賞を経て1番人気で迎えた桜花賞、そしてオークス(4番人気、12着)と、田所調教師にとって最も充実した時期だったことは間違いない。

 しかし、そんなクロフネサプライズはオークス後に骨折が判明。1年近い休養を経て復帰したが、かつての輝きを取り戻すことはできなかった。その後、復活を期した4歳秋の調教中に不慮の事故に遭い天国へと旅立っている。

 ラストウィークの27~28日に合計7頭を送り出す田所調教師。天国からクロフネサプライズが見守っているに違いない。

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