JRA矢作芳人厩舎「悲劇のクラシック候補」上がり最速も故障発生……伝説を継ぐ仔・アンフィニドールがデビュー戦を快勝!
20日、阪神競馬場で行われた5Rの未勝利戦は、アンフィニドール(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝した。
レースは16頭立ての芝1800m。デビュー戦ということもあってか、アンフィニドールは二の脚がつかず後方からのレースとなった。
道中は最内を押し上げて中団を追走。直線で外に持ち出すと、大きなフットワークで一気に馬群を抜け出した。大外から先に抜け出したスズカトップバゴとの接戦となったが、最後は半馬身凌いでのゴール。見事、デビュー戦を勝利で飾っている。
アンフィニドールに騎乗した川島信二騎手は「初出走でしたが、レースに行ってもしっかりと走ってくれました」と同馬を労うとともに、「今日は先生の誕生日でしたので、勝ってて良かったです」と管理する矢作芳人調教師へのバースデープレゼントとなった。
アンフィニドールの母ヤマノフェアリーは、矢作厩舎で管理された競走馬。ジャパンC(G1)や宝塚記念(G1)で2着となったデニムアンドルビーの全妹で、全弟には皐月賞(G1)5着のキタノコマンドールがいる。
フェアリードールからなる一族で、近親にはエリザベス女王杯(G1)を制したトゥザヴィクトリー、有馬記念(G1)で2年連続3着となったトゥザグローリーなどもいる良血馬だ。
ヤマノフェアリーはデビュー戦こそ2着に敗れたが、3着には1.4秒差をつける2着。その血統からも、大きく期待された馬であった。
その後は、未勝利戦、春菜賞(1勝クラス)と2連勝。初の重賞挑戦となった4戦目のフィリーズレビュー(G2)でも、小倉2歳S(G3)、デイリー杯2歳S(G2)と重賞2勝のホウライアキコ、ファンタジーS(G3)勝ちのベルカントに続く3番人気に推された。
渋田康弘調教助手が、レース前に「先々スターホースになってくれたらと思っています」と語ったように、全姉のデニムアンドルビーに劣らない素質を感じ取っていたヤマノフェアリー。しかし、レースではメンバー最速の上がりを使うも、スタート後に躓いたことも響き8着に敗れた。
「ヤマノフェアリーは、レース数日後に左後肢の種子骨を骨折していることが判明しました。スタートが順調なら勝っていた可能性もあったのではないでしょうか。素質は相当だったと思いますよ。
アンフィニドールがデビュー戦を勝利しましたが、あのヤマノフェアリーの仔ですからね。師の期待も大きいのではないでしょうか」(競馬記者)
矢作調教師はフィリーズレビュー後に「もともと弱いところがあった。秋に間に合えば」と語っていたが、ヤマノフェアリーは約1年後に登録を抹消。怪我からの復帰は叶わなかった。
悲劇のクラシック候補・ヤマノフェアリー。アンフィニドールには、母の無念を晴らす活躍を期待したい。
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