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JRA「次はオレ?」若手騎手は戦々恐々か……。無念の「早期引退」ボーダーラインは“6年目超えても100勝未満”

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 JRAは12日、三津谷隼人騎手が20日をもって騎手を引退することを発表。引退後は所属していた栗東・川村禎彦厩舎で調教助手となる予定だ。

 2015年にデビューした三津谷騎手は、1996年12月25日生まれの24歳。今月9日までに平地・障害あわせて1099鞍に騎乗して通算23勝という記録が残っている。

 三津谷騎手は、2019年から障害レースにもチャレンジ。今年3月21日にはテイエムチューハイで勝利を挙げており、あまりに早過ぎる突然の引退宣言に驚いたファンも多いだろう。

 しかし現実的には、今年の勝利はこの1勝のみ。同期の鮫島克駿騎手や野中悠太郎騎手らに大きく後れを取っていた感は否めない。同時に、若干24歳で引退を決断しなければならない辺りに、ジョッキーという仕事の過酷さが垣間見える。

 過去のインタビュー記事では、障害に転身した理由のひとつとして「僕は(当時は)まだ減量があるから面白いんじゃないか」と答えていた三津谷騎手。

 引退理由は定かではないが、三津谷騎手はデビュー6年目の昨年に見習い騎手を“強制卒業”している。同時にメリットでもある減量特典を剥奪されたことが、少なからず影響していると推測できる。

 JRA公式ページでは、騎手免許の通算取得期間が5年未満であり、勝利数が100回以下の騎手を見習騎手と定義している。彼らが特別競走やハンデ競走以外のレースに騎乗する際は、その負担重量を軽減。男性騎手に限って記すと、30勝以下は3キロ減、31勝以上50勝以下は2キロ減、51勝以上100勝以下は1キロ減の恩恵が与えられるのだ。

「1キロ=1馬身差」といわれるように、1キロでも軽い負担重量は大きな魅力。100勝以下の実績不足を補うために与えられた恩恵は、見習い騎手にとってはそのまま自身のアピールポイントになっている。

 少しでも斤量の軽い騎手を起用したい思惑がある調教師にとって、見習い騎手は貴重な存在。騎乗技術が未熟でもコンマ数秒を争うレースで「1キロ=1馬身差」のメリットは大きく、見習い騎手を積極的に起用する調教師も多い。

 一方で、減量特典がある間に成績を残せなかった騎手たちは、その特典がなくなると同時に騎乗依頼が激減する。

 実際に三津谷騎手の年度別成績を調べると、見習い最終年の2019年は144鞍に騎乗。しかしデビュー6年目、その減量特典を失った2020年は71鞍と半分以下に減少。この数字こそ、若手騎手の生存競争の厳しさを証明する、動かぬ証拠だ。

 さらに三津谷騎手は冒頭で記したように、7年目で通算23勝。見習い騎手を卒業するボーダーラインの100勝には、遠く及ばなかった。

 2021年にデビュー6年目から9年目を迎えた騎手を対象に、その通算勝利数を調べたところ、三津谷騎手の23勝は残念ながらワースト記録。次点はデビュー9年目で46勝の伴啓太騎手で、その差は約2倍。ある意味、三津谷騎手の勝利数の少なさが際立つデータとなってしまった。さらに8年目で66勝の井上敏樹騎手と続く。

 この2人を始め、低迷する若手騎手にとって、今回の三津谷騎手引退の報は、他人事ではないだろう。

 三津谷騎手に話を戻せば、2015年のデビュー時は栗東・目野哲也厩舎に所属。しかし2018年2月末に同厩舎は解散。その後はフリーを経験した。

 その後、見習い騎手を卒業した2020年1月から栗東・鮫島一歩厩舎に所属。さらに今年5月1日から現在の川村厩舎に所属変更するなど、騎乗馬を得るために試行錯誤を繰り返したようにもみえる。

 今週末に現役最終日を迎える三津谷騎手の“ラストラン”は、15日の中京8Rの京都ハイジャンプ(G2)に決まった。

 出走馬のマーニは、2018年にデビュー。障害転向前の平地では16戦1勝と目が出ず、昨年から障害練習を重ねて2勝をマーク。見事にオープン入りを果たした経緯は、騎手人生で試行錯誤を繰り返した三津谷騎手と重なる。

 ともに障害レースを学び、訓練を重ねたマーニとともに迎えるラストランを迎える三津谷騎手の胸には、どんな思いが去来しているのだろうか。思い入れのあるマーニの手綱を握りしめ、紆余曲折を経たジョッキー人生のすべてを懸けた、渾身の騎乗に期待したい。(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

 

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