「16馬身差」圧勝スノーフォールが示した凱旋門賞攻略のカギ!? 英オークス(G1)ディープインパクト産駒では勝てないといわれた鬼門の克服は「氏より育ち」に光明?
「好走した馬の血統にも母系にストームキャット、ガリレオ、サドラーズウェルズなど一定の傾向もありますね。ただ、やはり大きいのは育成の環境なのかもしれません。あのエルコンドルパサーも初戦はクロコルージュの2着に敗れました。その後、長期滞在することで欧州の馬場へ対応していきました。
日本ではどちらかというとステップレースすら使わずに、目標のレースに直行することも増えたほど、レース後の消耗に対して神経質になっているのが近年の傾向ですが、欧州は短いスパンで連戦することも珍しいことではありません。あのエネイブルでさえ、6連勝で凱旋門賞を制した年は、4月から月1走のペースで使われていたほどです」(競馬記者)
確かにスノーフォールにしても、昨年の1年間だけで7戦を消化。優勝した英オークスは6月4日だが、今年の復帰初戦・ミュージドラS(G3)を勝利したのは5月12日のことだった。次走に予定している愛オークスが7月17日、凱旋門賞が10月3日であることを考えると、“過保護過ぎる”印象もある日本と違って、過酷なローテーションにも映る。
だが、そんな心配をよそに快進撃が続いているということは、育成環境で欧州と日本にまだまだ大きな差があるのではないかという懸念も出てくる。
勿論、昔と違って現在の日本の環境が世界レベルにあることに疑いはないのだが、日本で育ったディープインパクト産駒がこれだけ通用しないのに対し、欧州で育った途端にこの好結果では、頭の痛い現実と向き合わざるを得ない。
このままスノーフォールが凱旋門賞を制するようなことがあると、それこそまた「日本は種牡馬の墓場」というありがたくないレッテルを貼られることになるかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 田辺裕信「痛恨ミス」に降板を期待する声も浮上?超大物馬主が「何やってんだよー」のご立腹…一石投じたファンとのやり取りに注目集まる
- C.ルメール「12戦全敗」で連覇に審議ランプ点灯?ライバル川田将雅は7勝の猛チャージ…ドバイワールドカップデーで注目の直接対決
- 「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
- 【ドバイターフ(G1)展望】武豊×ドウデュース「凱旋門賞制覇の夢」に向けて仕切り直し!ロードノースの4連覇を阻んで“夢”実現へ
- 大阪杯は最強5歳世代に注目!イクイノックス、ドウデュース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスを【完封】したジオグリフに復活の予感!
- 「6戦5勝」の怪物候補が大阪杯(G1)除外危機!? 主戦・川田将雅不在の「代打」にも見限られて崖っぷち…
- 皐月賞馬サートゥルナーリア×桜花賞馬ハープスターで「シーザリオ×ベガ」の超名牝系タッグ! 2024年新種牡馬筆頭は「第二のスワーヴリチャード」を許さない?
- 千葉ロッテ吉井理人監督「愛馬」がJRAで初出走初勝利! 馬主デビューのきっかけになった母の仔で中央競馬を席巻?
- 【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
- 兄はステイゴールド!スイープトウショウも完封したあの馬は、“みんなの”お母さんに!
関連記事
ディープインパクト「雪辱の凱旋門賞」制覇に王手! 薬物失格から15年……「16馬身差圧勝」スノーフォールがブックメーカー1番人気に
藤田晋氏「馬主デビュー」の裏に武豊のスカウト!? 「馬主として凱旋門賞を」歴代5位・4億7000万円落札の超大物起業家が競馬界に参入した理由
JRA C.ルメールと新コンビで「凱旋門賞挑戦」に現実味。クロノジェネシスは2着馬ナカヤマフェスタ、エルコンドルパサーを「超越」する馬場適性!?
JRA 「48馬身差」の悪夢払拭なるか!? 凱旋門賞(G1)コントレイル抜きでも勝算あり……、“超難関ミッション”攻略班に求められた共通の「スキル」とは
JRA 凱旋門賞(G1)コントレイル「逃亡」でディープボンドと立場逆転!? 国内専念で問われる三冠馬の品格…… 絶望的となった父ディープインパクト超え