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JRAレガシーワールド“訃報”で掘り起こされる大アクシデント、「ゴール板誤認」でジャパンC(G1)制覇にとばっちり!?

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 18日、北海道新ひだか町のへいはた牧場で余生を送っていたレガシーワールドが、老衰のためこの世を去った。1989年生まれの32歳だった。

 この世代の牡馬は、春の牡馬クラシック2冠を無敗で制し、菊花賞(G1)でも2着に入ったミホノブルボンが代表格。そのミホノブルボンと同じ戸山為夫調教師が管理していたのがレガシーワールドだった。

 モガミ産駒特有の激しい気性も手伝って、初勝利に6戦を要した遅咲きタイプ。飛躍のきっかけは骨折休養中に施された去勢手術だった。セン馬に生まれ変わったレガシーワールドは、3歳7月に初勝利を飾ると、秋のセントライト記念(G2)では後の菊花賞馬ライスシャワーを封じ込んだ。その後はジャパンC(G1)4着、有馬記念(G1)ではメジロパーマーとハナ差の2着に健闘。故障したミホノブルボンに代わって、古馬相手に実力の一端を見せた。

 そして、レガシーワールドが生涯唯一のG1制覇を飾ったのが翌年のジャパンC(G1)だ。休み明けで臨んだ前哨戦の京都大賞典(G2)では、メジロマックイーンの前に3馬身半差をつけられる完敗を喫していたが、そのマックイーンは天皇賞・秋(G1)を前に故障で引退していた。

 主役不在で迎えたジャパンC。日本馬の中では、4番人気のウイニングチケットに次ぐ支持を得ていたとはいえ、レガシーワールドは6番人気の伏兵評価。好スタートを切ったレガシーワールドは、逃げるメジロパーマーを射程圏に入れる形で2番手を追走。直線半ばで先頭に立つと、驚異的な粘り腰を発揮し、後続の追撃を振り切った。

 2着馬との着差は1.1/4馬身。数字からは完勝にも見えるが、この勝利は時に注釈付きで語られることもある。その理由が2着に追い込んだ米国馬コタシャーンに騎乗していたケント・デザーモ騎手が犯したあるミスによるものだ。

 混戦模様のなか、堂々1番人気に支持されたコタシャーン。五分のスタートを切ったが、無理をせず道中は中団後方のインを進んだ。4コーナーでうまく外目に持ち出したデザーモ騎手が、直線に入って右ムチを振るうと、コタシャーンはこれに鋭く反応。前を飲み込む勢いで一完歩ずつ先頭に迫った。

 ところが残り100m地点で思わぬアクシデントが発生する。なんと「1」と刻まれたハロン棒(1/2ハロン)を過ぎたところでデザーモ騎手は腰を浮かせて、追う動作を止めてしまったのである。実は、残り100mのハロン棒をゴール板と誤認してしまったというのが真相だ。

 レース後、デザーモ騎手は「一生懸命追って、顔を上げたら太陽が目に入った。その時に左に100m標識が見えてそれをゴールと間違えた」と自らの重大ミスにうなだれるしかなかった。

 そして、この“ゴール板誤認”のとばっちりを受けたのが、他でもないレガシーワールドというわけだ。しかし、当時を知る記者は、誤認がなかったとしてもレガシーワールドは勝っていたと主張する。

「VTRを見ても分かりますが、デザーモ騎手は誤認したことにすぐに気づき、2~3秒で再び追い始め、ムチも一発入れています。2頭の最後の脚色からも、レガシーワールドがそのまま粘り切っていた可能性が高いでしょう。レース後にデザーモ騎手が『もし間違えなかったら、1着になっていたかもしれない』とコメントしたことで、レガシーワールドのG1制覇にケチが付いてしまったのは残念でしたね」(競馬記者)

 レガシーワールドの訃報に28年前の出来事を思い出したファンも多かったのではないだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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