JRAの「忖度」でとんだとばっちり!? 引き受けた厩舎は次走聞かれて戸惑いも……。 禁止薬物、パワハラ疑惑「渦中」の調教師に意外な特別措置
「対象期間中、引き受ける調教師にはJRAから別の通帳が渡されるんです。自厩舎の馬と引き受けた馬、それぞれが稼いだお金は、別々に振り込まれます。引き受けた調教師の収入になると思うファンもいるようですが、そうではなく停止期間が過ぎた後に通帳を本人に渡すそうです。
もしかしたら感謝料などは別で渡すかもしれませんが、それは個人間の判断であって実際のところ、そういった取り決めはないです。ですから、引き受けた側は面倒な事ばかりで得はありません」(同)
実際、引き受けた側の調教師への指示は勿論、どのレースに使うのかも口を出したり出来ない。とはいえ、公には自分の管理馬となっているのため、「知らないとか、俺のところの馬ではない」と言う訳にはいかない。
「現場ではそういった事情も忖度して取材するのですが、中には『凄く強かったですね、先週の新馬!あの馬はG1級でしょ。ちなみに次はどのレースを予定しているのですか?』とステルナティーアについて本気で聞いてきた記者もいたそうです。
同馬は、木村厩舎の2歳の看板候補でステルヴィオの妹。大抵の記者は分かっていると思いますが、例え木村調教師だとしてもノーザンの管轄であり、次走に関しても使い分けなどもあって明言する事は無理でしょう」(別の記者)
質問された岩戸孝樹調教師も戸惑ったようだが、こういった事例は珍しい訳ではなく、手塚貴久調教師も勝つ度に周りから『おめでとうございます。あ、でも臨時でしたっけ?などと祝福を受けたり、馬主などからはメールなどで『最近はよく勝っていますね。調子がいいみたいだからウチの馬もお願いします』なんてこともあったそう。
一時的な代打とはいえ、対象期間が終了すると、自厩舎の管理馬ではなくなるのだから、紛らわしいというか、分かりづらいことでもある。
引き受けた側の調教師としては、これといった旨味もないため、とんだとばっちりかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
23:30更新- 田辺裕信「痛恨ミス」に降板を期待する声も浮上?超大物馬主が「何やってんだよー」のご立腹…一石投じたファンとのやり取りに注目集まる
- C.ルメール「12戦全敗」で連覇に審議ランプ点灯?ライバル川田将雅は7勝の猛チャージ…ドバイワールドカップデーで注目の直接対決
- 「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
- 大阪杯は最強5歳世代に注目!イクイノックス、ドウデュース、アスクビクターモア、ジャスティンパレスを【完封】したジオグリフに復活の予感!
- 【ドバイターフ(G1)展望】武豊×ドウデュース「凱旋門賞制覇の夢」に向けて仕切り直し!ロードノースの4連覇を阻んで“夢”実現へ
- 皐月賞馬サートゥルナーリア×桜花賞馬ハープスターで「シーザリオ×ベガ」の超名牝系タッグ! 2024年新種牡馬筆頭は「第二のスワーヴリチャード」を許さない?
- 【大阪杯】ノーザンファームの「締め出し作戦」が大成功?フルゲート16頭に11頭の大攻勢…「幻の1番人気候補」が無念の門前払い
- 「競馬の神様」は実に意地悪だ!キャプテン渡辺のWIN5あるある…「これだけはやめてね」という相手が異常な確率で来る問題【徒然なる神のくず競馬トーク】
- ダービー「当確級」の逸材が皐月賞参戦!過去にキズナ、シャフリヤールらが条件クリア、浜中俊VS坂井瑠星の「第2ラウンド」も勃発?
- 【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
関連記事
JRA「24年目で初めて」池添謙一も驚いた真夏の“珍事”、「最後に響いた」川田将雅がC.ルメールに恨み節!? 武豊「斜行」で後輩ジョッキー落馬もお咎めなし【週末GJ人気記事総まとめ】
人気ワイドショー番組、「地方馬」取り上げ注目の的に! 人気アナ&コメンテーターも「ファン宣言」 パドック解説も番組になぞらえて…
JRA話題の「5億円馬」ドーブネに致命的な弱点あり!? 二転三転したデビュー戦は未勝利戦も視野に……、武豊×ディープインパクトの期待馬に“泥船”の予兆
JRA「デビュー24年」重賞勝ちゼロの苦労人が掴んだチャンス! 降ろされた馬が重賞勝ちの屈辱から4年、武豊も折り合えなかった“暴れん坊”に再登板
JRA「超光速の粒子」アグネスタキオンの“長男坊”が輝いた16年前の夏、そして「非業の死」を遂げた10年前の春