真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト・GJ
真剣勝負の真実に切り込むニュースサイトGJ

JRA社台グループ「先物買い」に光る先見の明!? ジオグリフやルヴァンスレーヴ級の大物が登場、旋風を巻き起こしたダートのスプリンターはサンデーサイレンスの再来か
「レースを制したのは、またドレフォン産駒」
最近の競馬中継を見ていて、やたらと耳にするフレーズである。
それもそのはず。その理由は、新種牡馬ドレフォンの初年度産駒が、ちょっとした旋風を巻き起こしているからに他ならない。
今月5日の開催終了時点で2歳馬における同馬産駒の勝利数は7勝。9勝でトップのロードカナロアを2勝差で追っていたが、連勝を決めた先週の土日でそれぞれ2勝して4勝を上乗せ。ついには、12日の開催を終えて11勝と、一気に2歳種牡馬リーディングトップの座を奪った。
特筆すべきは、ドレフォン産駒の多彩なラインナップだろう。
先日、札幌競馬場で行われた札幌2歳S(G3)を、4馬身差の楽勝で制したジオグリフは同馬の産駒。来年のクラシックに繋がる芝1800mの重賞でライバルを圧倒し、一躍クラシック候補へのし上がった。11日のアスター賞(1勝クラス)で2着に敗れはしたが、白毛のアイドルソダシの近親ハイアムズビーチも、将来性豊かな2歳牝馬の1頭といえるだろう。
上記2頭は芝のレースだったが、芝だけではなくダートでも怪物候補を出していることにも注目したい。8月22日の新潟競馬場で行われた新馬戦は、2番人気のコンシリエーレが大差勝ち。同条件となる新潟のダート1800mの新馬戦は、過去にデビュー4連勝で海外遠征したエピカリスが1:54.4、G1・4勝のルヴァンスレーヴが1:54.8(稍重)で勝ち上がっているが、コンシリエーレは1:53.5と上回ったのだから驚きだ。
そこで気になるのがドレフォンの経歴である。
米国産馬である同馬の現役時代は9戦6勝の成績。G1・3勝を挙げているが、これはいずれもダートの短距離戦でのもの。スタートと二の脚の速さに定評があり、芝の適性は少なからず感じられていたとはいえ、中距離のレースを走った経験はない。
「ドレフォンの父ジオポンティは、芝の中距離G1を7勝した名馬ですから芝への適性自体は潜在的にあったということでしょうか。母系にもダート中距離でG1勝ちのあるゴーストザッパーがいます。
自身はダートの短距離が主戦場となりましたが、血統的には芝ダートの短距離から中距離までこなせるオールマイティさも兼ね備えていたともいえそうです」(競馬記者)
勿論、まだサンプル数も少なく未知数な種牡馬ではあるが、デビューしてすぐ2歳リーディングという活躍は、なかなかできるものでもない。そう考えると、「先物買い」ともいえそうなドレフォンを購入した、社台グループの先見の明が光る現在の成績ではないだろうか。
かつて、アメリカで結果を残していなかったヘイロー産駒のサンデーサイレンスを、社台グループの創業者である吉田善哉氏が購入した際、アメリカの生産者から「とても成功しそうにない母系のヘイロー産駒を買った」と笑われたが、芝、ダートともに大物G1馬を輩出したその後の大活躍は周知の通り。
この勢いが続くようだと、そう遠くない将来、ドレフォンがサンデーサイレンス2世と呼ばれる日も訪れるかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
23:30更新元クラシック候補が武豊とコンビ解消!?不可解な路線変更と名門厩舎の後悔
グレートマジシャン厩舎に相次ぐ「受難」……復帰の元ダービー候補を案ずる声も
C.デムーロが絶賛した逸材に武豊もゾッコン!?「5年ぶり」新潟参戦にみる本気
- 福永祐一、川田将雅がクラシック候補ゲットの新潟、C.ルメール参戦で激戦必至!
- 令和の「メジロ」にオールドファン感動?異例尽くしのニューヒーローが殊勲星
- 「暑さ嫌い」C.ルメールの新潟参戦はガチモード!? 勝ち負け期待の1頭はコレ
- 武豊の異様な「日記」に不安と心配の声多数……ショック過ぎる内容に「こんな武さんは見たくない」「元気出して」の声殺到
- 「距離延長」にこそ勝算あり?「夏男」カテドラルの進化
- 武豊「もう少し配慮してほしかった」JRAへ怒り心頭!? C.ルメール新型コロナ「検査OK」なのに14日間“強制”自宅待機の裏側
- 武豊を潰した新人騎手「暴走」に物議!? 連続斜行でレースぶち壊し……未だデビューから1人だけ勝てない「焦り」か
関連記事
JRA競馬ファンが知ってそうで知らない「米国芝3冠」って何? 社台ファーム・吉田照哉氏の挑戦が日本競馬の「脱・菊花賞(G1)」に拍車?
JRA 社台ファーム生産の期待馬が藤田菜七子騎手でデビュー! 父は芝1800mの日本レコードホルダー
厩舎史上「ディープ最高傑作」がついに登場!? ダービーで1番人気に支持されたあの大器の「再来」、好相性・非社台生産で初戦突破は「99.99%」?
JRA社台グループの“劣等生”追分ファームの2歳勢が快進撃!昨年の“泥沼”より4か月も早い4勝目……。その陰にオルフェーヴルに携わったある人物の存在
JRA【札幌】先週も大暴れ! 北の大地は「札幌馬主」で万馬券祭り? 今週狙うべき地元馬主の美味しい勝負馬