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JRA【菊花賞(G1)展望】ステラヴェローチェ「道悪」激走後の反動が不安!? 例年は苦戦傾向セントライト記念組も出番あり?

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 24日、クラシック三冠最終戦の菊花賞(G1)が今年は阪神競馬場で行われる。

 距離は例年の京都と同じ3000mだが、阪神のそれは内回りを1周半、コーナーを6度通過し、急坂が2度待ち構えるという非常にタフなコースだ。例年以上にスタミナが問われる展開になる可能性が高い。

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ステラヴェローチェ 撮影:Ruriko.I

 春のクラシック2冠を分け合ったエフフォーリアとシャフリヤールが回避し、主役を務めるのは皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)で3着に好走したステラヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。

 2歳時はマイルで3戦2勝。唯一敗れた朝日杯FS(G1)でもグレナディアガーズの2着に入って、当初はマイル路線を歩む可能性もあった。

 3歳初戦の共同通信杯(G3)では1番人気に推されたが、他馬より1kg重い斤量も堪えたのか5着に敗退。その後、吉田隼人騎手に乗り替わった皐月賞で6番人気3着、距離が不安視されたダービーでも上がり最速タイの末脚を使って9番人気で3着と、期待を上回るパフォーマンスを発揮した。

 秋は王道トライアルの神戸新聞杯(G2)で始動。1番人気はダービー馬シャフリヤールに譲ったが、不良馬場を味方に直線一気の競馬で菊花賞の最有力候補に名乗りを上げた。

 重賞2勝はどちらも不良馬場で挙げており、馬場が重くなったときの信頼度はピカイチ。ただし朝日杯FSやダービーといった高速競馬にもしっかり対応しているのは心強い。

 凱旋門賞馬のバゴ産駒だけに長い距離もお手の物。父の初年度産駒ビッグウィークは2010年の菊花賞を勝っている。しかし、バゴ産駒が芝2600m以上の長距離レースを勝利したのはそのレースが最初で最後。同条件では通算「1-2-0-27」なので、長すぎる距離は逆に疑う余地もあるだろう。

 1週前追い切りでは軽快な動きを見せたが、前走が不良馬場での激走。そこから中3週での長距離戦で、見えない疲れが自慢の末脚を鈍らせる可能性もはらんでいる。

 打倒ステラヴェローチェに燃えるのは、セントライト記念(G2)経由で参戦する3頭の関東馬だ。

 セントライト記念組の菊花賞成績は過去10年で「1-3-2-46」とやや苦戦傾向にあるが、今年は中山同様にゴール前に急坂がある阪神開催のため、例年以上に直結する可能性も考えておきたい。

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 そのトライアルで3着に入ったオーソクレース(牡3歳、美浦・久保田貴士厩舎)は、昨年暮れのホープフルS(G1)で2着に好走後、ぶっつけで皐月賞を目指していたが態勢が整わず回避。ダービーに矛先を向けたがその後、骨折が判明した。

 9か月ぶりの復帰戦となった前走は、実績を考えればやや低評価ともいえる5番人気。しかし、レースでは1~2着馬にはやや離されたが、3着争いを制して底力を見せた。

 長期休養明けを叩いた上積みが見込まれる今回は、ステラヴェローチェに次ぐ2番人気が濃厚。鞍上を務めるC.ルメール騎手は16年サトノダイヤモンド、18年フィエールマンで2度菊花賞を制覇しており、「長距離は騎手で買え」という格言に従えば、やはり怖い存在だ。

 母マリアライトは4歳になって本格化した遅咲きタイプだった。その血を受け継ぐこの馬も才能を開花させるのは来年以降かもしれない。ただ、同世代が相手ならここをあっさり勝っても不思議はないだろう。

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アサマノイタズラ 撮影:Ruriko.I

 セントライト記念で、そのオーソクレースを破ったのがアサマノイタズラ(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 春はスプリングS(G2)で2着に好走したが、皐月賞で16着、ラジオNIKKEI賞(G3)では12着と大敗が続き、評価を大きく落としていた。

 そこで陣営は鞍上を嶋田純次騎手から田辺裕信騎手にスイッチ。これが見事に嵌まって、田辺騎手も「まさか勝ちきってくれるとは」と驚く大金星を挙げた。

 菊花賞でも引き続き田辺騎手が手綱を取る。前走のような思い切った騎乗を披露できるか。

 セントライト記念では1番人気を裏切り13着に敗れたタイトルホルダー(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)が巻き返しを図る。

 春は弥生賞(G2)を逃げ切って重賞初制覇。続く皐月賞でもエフフォーリアの2着に入り、世代上位の力を示した。しかし、ダービーではハナを奪えず、苦しい位置取り。直線ジリジリ伸びたが、6着に終わっていた。

 中山実績も買われ1番人気に推された前走で思わぬ大敗を喫したが、道中は厳しいマークを受け、最後の直線では前が壁になって完全に進路を失っていた。13着という着順は度外視してもいいだろう。

 前走後は在厩で調整され、1週前追い切りで好時計をマーク。ひと叩きされ状態は上向いている。前走の反省を踏まえて横山武史騎手は思い切った先行策に打って出るのか。この馬の動きがレース展開のカギを握りそうだ。

 5月の京都新聞杯(G2)覇者で、秋初戦の神戸新聞杯を2着したレッドジェネシス(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)も虎視眈々と上位をうかがう。

 前走は中団後方から直線内を突き、いったんは先頭に立ったが、最後にステラヴェローチェに交わされた。今回は全3勝を挙げている川田将雅騎手が京都新聞杯以来となる鞍上を務める。

 菊花賞3年連続勝利中のディープインパクト産駒の血は今年も炸裂するか。

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ディープモンスター 競馬つらつらより

 出走を予定するもう1頭のディープインパクト産駒がディープモンスター(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 春は皐月賞7着、ダービー16着と期待外れに終わり、今回は5か月ぶりのぶっつけ本番。鞍上の武豊騎手は菊花賞31度目の騎乗で、歴代最多の5勝を挙げている。19年ワールドプレミアで制した菊花賞を最後にG1制覇から遠ざかっているが、得意レースで2年ぶりの美酒を味わえるか。

 昨年10月のデビューから間隔を空けながら大事に使われてきたヴァイスメテオール(牡3歳、美浦・岩戸孝樹厩舎)も無視できない。前走のラジオNIKKEI賞はパワーを要する馬場を味方につけ完勝。同様の時計がかかる馬場になれば、注意が必要だ。

 長距離実績という点では、2600mの距離を勝った3頭も注目に値する。

 モンテディオ(牡3歳、栗東・四位洋文厩舎)は、2走前に札幌2600mで1勝クラスを完勝。前走の神戸新聞杯で3着に粘り込み、権利獲りに成功した。4戦3勝のエアサージュ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)は、前走の札幌2600mで行われた札幌日刊スポーツ杯(2勝クラス)を逃げ切り勝ち。ディヴァインラヴ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、牝馬ながら2600mと2200mを2連勝中と勢いがある。

 2年ぶりに春のクラシック覇者が不在となった菊花賞。春の実績馬が順当に実力を発揮するのか。それとも夏の上がり馬にもチャンスはあるのか。三冠最終戦は24日15時40分に発走予定だ。

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