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JRA「異次元の走り」超大物エスコーラ3連勝も川田将雅は心中複雑!? 恐れをなした8頭立てノーステッキ楽勝も「東京マイル」を選択した意味
31日、東京競馬場で国立特別(2勝クラス)が行われ、1番人気のエスコーラ(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。話題の「遅れてきた大物」が3連勝で単勝1.5倍に応えた。
8頭立ての芝1600mのレース。大外の8番からのスタートとなったエスコーラだが、スタートを決めて好位につけると、最後の直線で外へ。他馬とはまったく異なる手応えで一気に先頭に躍り出ると、あっさりと押し切った。
「陣営が『体つきは変わりありません。前走と同じくらいの馬の感じ』と話していた通り、-4kgは東京への遠征分でしょう。今回は『左回りの走りを見てみたい』と先を見据えて東京遠征でした。
話題の大物が出走するということで、この時期の東京マイルの2勝クラスにもかかわらず8頭立てという寂しいメンバーになりましたが、それだけに他の出走馬も粒ぞろいといった感じ。ただ、エスコーラは1頭、モノが違いましたね。
やや行きたがる面があるだけに大外枠からのスタートが課題でしたが、ここ2戦の1800mからマイル戦になってペースが上がった分、川田騎手も『外枠からこの馬のリズムで競馬ができた』と評価していました。1800mで連勝していたので、中距離かマイルのどちらに進むのか注目されていましたが、今日の勝ちっぷりを見てもまずはマイル路線になりそうです。
上にサラキア、サリオスのG1姉弟がいる上に、まだまったく底が見えていない存在。次は3勝クラスになるでしょうが、もう来年が楽しみですね」(競馬記者)
今年1月のデビュー戦こそ敗れたものの、仕切り直しとなった7月の未勝利戦で衝撃の日本レコードV。そのまま単勝1.1倍に推された9月の1勝クラスを完勝して挑んだ今回のレースだったが、またも終始ノーステッキでの勝利。
川田騎手が「順調に一戦毎に学びながら階段を上がってくれている」と評価している通り、スタートや気性面といった課題も順調に改善している印象だ。
こうなってくるとやはり「将来」が気になるが、前出の記者曰く「今日と同じ舞台の安田記念(G1)が最初の目標になるのでは」とのことだった。
「まだキャリア4戦の馬なので、今後変わって来る可能性もありますが、順調にいけば来春の安田記念が大目標になると思います。ただ、鞍上の川田騎手は今年の安田記念をダノンキングリーで勝利したように、マイル路線には2歳王者グレナディアガーズ、ダノンザキッドなどの有力なお手馬が豊富にいる立場。
主戦騎手として相棒の成長は喜ばしいところでしょうが、出世すればするほどブッキングの可能性が出てきますので、なかなか複雑な心境でしょうね」(同)
「このまま体がさらに成長してくれれば」
レース後、エスコーラにそう期待を寄せる川田騎手。底知れぬ大器が順調な成長を見せていることに楽しみは膨らむ一方だが、ジョッキーにとっては昨日の友が今日の敵になるのが競馬だ。エスコーラの出世街道はコンビ解散への階段なのか、それとも……。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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