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JRA 4月まで未勝利馬が「20馬身」6連勝!? 中央「失格」烙印押された馬がC.ルメール“大絶賛”の馬にモデルチェンジした裏事情

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C.ルメール騎手

 27日、東京競馬場で行われた10RのシャングリラS(3勝クラス)は、C.ルメール騎手の2番人気クロパラントゥ(セ3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が勝利した。

 フルゲート16頭立てのダート1400m戦。若干出遅れ気味のスタートだったが、なんのその。最後は2着馬に1馬身1/4差をつける快勝にルメール騎手は「3番手で冷静に走っていました。いい馬です」とニンマリ。2着馬に騎乗していたR.ムーア騎手も「勝った馬が一頭強かったです」と称賛していたほどの強さを見せた。

 トップクラスの外国人騎手も舌を巻いた3歳馬はこれで中央3連勝。1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスと、とんとん拍子に勝利を積み重ねているわけだが、決してデビューから順風満帆で現在に至ったわけではない。実は一度厳しいJRAの競争社会からドロップアウトした過去もあるのだ。

 ダートで快進撃の続いているクロパラントゥだが、昨年9月の新馬戦は中山芝2000mでデビュー。当時管理していた鹿戸雄一師は「まずまず動けるようになってきた点に期待したい」と、武豊騎手を鞍上に送り込むも、結果は勝ち馬から1.2秒差の9着と惨敗してしまう。

 その後、去勢やブリンカーを装着するなど馬具を工夫して、未勝利戦の芝とダートで1戦ずつの計2戦使われたものの、いずれも二桁着順と振るわなかった。この結果に陣営やオーナーは中央では頭打ちと考えたのか、クロパラントゥはわずか3戦で地方のホッカイドウ競馬へ転入することになる。

 ホッカイドウ競馬の小野望厩舎へ移籍した同馬は、早速翌5月に移籍初戦の門別ダート1200m戦を迎えたが、中央に在籍していた頃とは別馬のような好発進を決める。クロパラントゥは、地方でのデビュー戦をなんと7馬身差の大楽勝で飾ったのだ。

 続く2戦目は1700m戦を使われたクロパラントゥ。前走から一気に500mの距離延長でも5馬身差で圧勝を決める。クラスが上がった3戦目も同じくダートの1700mを走ったが、今度は持ち時計を1秒以上縮めての勝利。そして、かつて芝でもダートでもいいところのなかった馬は、まるで別馬のような3連勝を飾って、再び中央へ復帰することになる。

 出戻った先は前回と異なる藤沢和厩舎だったこともオーナーの期待の表れだったのだろうか。地方で連勝中といえども、中央では未勝利の馬だったにもかかわらず、初戦からルメール騎手が起用されたことからも陣営の自信が伝わってくる。

 そんな陣営の期待に応えたクロパラントゥは、9月札幌の1勝クラスを快勝。5ヶ月前は未勝利戦で一桁着順も難しかった馬が、地方競馬を経て1勝クラスを楽勝できるほどまでに成長していたことも驚きだ。これには当時のルメール騎手も「地方でいい勉強をして強くなってくれましたね」と、ホッカイドウ競馬への移籍が大きかったことを証言している。

 クロパラントゥの勝利はホッカイドウ競馬時代も含めるとこれで6連勝。ここまで来るとデビュー当時とはまるで別馬のような成績といえる。

 JRAで未勝利に終わった馬が地方競馬へ移籍し、勝利を重ねて再度JRAへ戻るケースは何度もある。ただ、JRAの高い壁に阻まれる馬が多く1勝クラスを卒業できない馬は何頭もいる。それでもクロパラントゥが連勝を続けているのは、ホッカイドウ競馬へ移籍したことも大きく関係していそうだ。

 ホッカイドウ競馬は全国の地方競馬でトップクラスに強いと言われており、交流重賞でJRA勢に競り勝つシーンも珍しくない。また、今年のCBC賞(G3)で日本レコードを樹立したファストフォースやメイプルグレイトなどが代表に挙げられるように、近年は過去にホッカイドウ競馬で在籍していた馬が活躍するパターンが多くなってきている。

 クロパラントゥの次走は来年1月の根岸S(G3)を予定している。一度は中央で落第と判断された馬が、地方競馬時代も含めると2着馬につけた着差は計「約20馬身差」の6連勝。別馬のような変貌を遂げたキズナ産駒が、重賞でも勢いそのままに勝つことができるのか注目したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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