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JRA阪神JF(G1)ウオッカ、ニシノフラワーほか、優勝馬はウマ娘でお馴染みの名馬がズラリ! 混戦を断つ今年の女王候補は?

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 JRAのダート王を決めるチャンピオンズC(G1)はテーオーケインズの勝利で終わり、今週はいよいよ2歳女王決定戦の阪神JF(G1)が行われる。昨年はソダシが勝利し、白毛フィーバーを巻き起こした。

 このとき2着のサトノレイナスは日本ダービー(G1)でも人気の一角を背負い、3着ユーバーレーベンは後のオークス(G1)を制したように、ハイレベルなレースだった。それだけに今年も来年のクラシックに向けて注目の一戦となることは間違いないが、昨年に勝るとも劣らない好メンバーが揃った。

 それにしてもこのレースの優勝馬は、なかなかの女傑揃いである。勝ち馬だけでなく、出走馬を見渡せばその世代を代表する名馬ばかり。他にも意外な活躍馬も多く存在しており、今回はそんな阪神JFの歴史から(1991年~2000年は阪神3歳牝馬Sの名称)、特に注目すべき馬をピックアップした。

【ニシノフラワー】
 まずは1991年の優勝馬ニシノフラワーだ。今やウマ娘で大人気だが3歳時には桜花賞(G1)、スプリンターズS(G1)を勝利。桜花賞馬が3歳時にスプリンターズSを勝利したのは同馬のみという快挙で、しかもその前走は2400mのエリザベス女王杯(G1・現在は芝2200m)で3着だから驚きだ。

【ヒシアマゾン】
 女傑と言われた1993年優勝馬ヒシアマゾン。当時のルールで外国産馬のため桜花賞とオークスには出走できなかったが、クイーンC(G3)から秋のエリザベス女王杯まで重賞6連勝を成し遂げている。距離も1200m、1600m、2000m、2400mと幅広く、そのインパクトは絶大。さらに有馬記念(G1)でナリタブライアンの2着、ジャパンC(G1)も2着と大一戦で活躍した。

【メジロドーベル】
 1996年に優勝したメジロ牧場の傑作メジロドーベルも忘れられない1頭だ。桜花賞は2着もオークスと秋華賞(G1)を勝利。さらにエリザベス女王杯で連覇を達成とG1レースを5勝している。特にオークス以降は牝馬限定戦なら重賞6戦5勝と同世代の牝馬を圧倒した。

【ウオッカ】
 2006年の阪神JFを4番人気で勝利したウオッカ。その後、歴史的な名牝にまで成長するとは、当時は誰も想像できなかったかもしれない。牝馬ながら日本ダービーを制し、安田記念連覇、天皇賞(秋)、ジャパンC、ヴィクトリアマイルと7つのG1レースを勝利した。獲得賞金は13億円を超え、JRAの牝馬で歴代4位の記録。特筆すべきは2歳から5歳まで毎年G1レースを制していることだ。

【ブエナビスタ】
 2008年に勝利したブエナビスタも印象深い。他に2頭の重賞勝ち馬を含めた12頭のオープン馬がいたにもかかわらず、前走未勝利戦を卒業したばかりの馬が、単勝2.2倍と断然の支持を集めた。しかしその評価は正しかった。最後の直線で他馬を圧倒する上がり34秒台の豪脚を使って15頭をごぼう抜き。その後は桜花賞、オークス、ヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)、ジャパンCを勝利し、獲得賞金は14億円を超えJRA牝馬歴代3位の記録となっている。

【アパパネ】
 阪神JFの優勝馬で、唯一牝馬三冠(桜花賞・オークス・秋華賞)を達成した2009年優勝馬アパパネ。古馬になっての勝利はヴィクトリアマイルのみだが、やはり牝馬三冠の偉業は重みがある。今年は同馬の娘アカイトリノムスメが秋華賞を制するなど、母としても名牝の域に達した。

【ラッキーライラック】
 2017年優勝馬ラッキーライラックは天国と地獄を体験した馬だろう。デビューから3連勝で阪神JFを制し、年明けのチューリップ賞(G2)も快勝。桜花賞も断然の1番人気に支持されたが、勝利したのはアーモンドアイと相手が悪かった。その後不振が続き7連敗し、早熟で終わったかと思われたが、名手C.スミヨン騎手と松永幹夫厩舎の尽力もあり、エリザベス女王杯で復活勝利。さらに香港ヴァーズ2着、大阪杯1着といったG1で結果を出し、エリザベス女王杯で連覇を達成した。

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ソダシ 撮影:Ruriko.I

【ソダシ】
 先週のチャンピオンズCは残念な結果だったが、2020年優勝馬ソダシの力は本物だ。デビューから重賞3連勝を含む4戦4勝で阪神JFを制覇。3歳になっても桜花賞、札幌記念(G2)を制するなどその実力は現役牝馬でもトップクラス。クロノジェネシス、グランアレグリアが引退することもあり、2022年のJRA牝馬戦線を担う存在といえよう。来年はヴィクトリアマイルが最大目標になりそうだが、どんな走りを見せるか楽しみだ。

 以上、過去に阪神JFを制した名牝たちを紹介したが、敗れはしたものの、その後活躍した馬も挙げればかなりの好メンバーが存在する。例えば2018年2着クロノジェネシスは、その後宝塚記念(G1)を連覇、有馬記念勝利と圧倒的な成績を残している。さらに2016年2着リスグラシューも、宝塚記念~コックスプレート(G1)~有馬記念の3連勝を達成。他にもレッツゴードンキ、ハープスター、メイショウマンボ、フサイチパンドラ、スイープトウショウ、シーキングザパール、エアグルーヴ、シンコウラブリイなどJRA史に残る名牝がこの阪神JFをステップに名馬への階段を駆け上っている。

 今年で73回目を迎える阪神JFに新しい1ページが加わるわけだが、抜けた馬もおらず、かなりの難解なレースと言えるだろう。出走メンバーはファンタジーS(G3)優勝馬で3戦3勝と無敗のウォーターナビレラ、アルテミスS(G3)優勝馬サークルオブライフ、函館2歳S(G3)優勝馬ナムラリコリス、小倉2歳S(G3)優勝馬ナムラクレア、サウジアラビアRC(G3)2着のステルナティーア、2戦2勝のナミュールなどメンバーは多彩だ。

 なお抽選対象馬も多いため、最終的にどの馬が出走するかわからないが、それでも4頭の重賞馬や良血馬が揃っており、見応えのあるレースとなるのは間違いあるまい。

 その中で一頭注目馬を挙げるとすればウォーターナビレラだろう。唯一の3勝馬で武幸四郎厩舎と武豊騎手という兄弟コンビ。川田将雅、福永祐一といったトップジョッキーが香港遠征で不在でもあり、鬼の居ぬ間にG1制覇といきたいところ。どんなレースを見せるか注目したい。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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