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JRA横山武史またしても「油断」が命取り? 5頭が横一線のタイム差なし、世界のC.デムーロが「格の違い」を見せつけるV

今年最後の中山開催となった28日。5Rの2歳新馬(芝2000m)を勝利したのは、C.デムーロ騎手の3番人気アクアテラリウムだった。ライバル馬が伸びあぐねる中、まんまとマイペースの逃げ切り勝ちを決めた。
「最終コーナーでは他の馬に迷惑をかけてしまったが、最後まで頑張ってくれた」
自身の騎乗を反省しながらも、世界的名手が他の騎手に「格の違い」を見せつけた快勝だった。1着から5着までの差がそれぞれハナ・クビ・ハナ・ハナという、ゴール前で5頭が横一線に並ぶ大激戦。薄氷の勝利に見えてC.デムーロ騎手の好判断が勝利の決め手となった。
パートナーの勝利を自らの手腕で手繰り寄せたC.デムーロ騎手に対し、不本意な結果に終わったのが、サンドレス(牝2、美浦・大竹正博厩舎)に騎乗して3着に敗れた横山武史騎手だ。
ハービンジャー産駒で母ツルマルワンピースという血統は、2018年の有馬記念(G1)を3歳で制したブラストワンピースの全妹。良血馬と今年ブレイクした腕利きの若手のコンビが1番人気に推されたのもわかる。
8頭立ての少頭数で行われたレース。まだ脚質の定まらない2歳馬のデビュー戦ということもあり、出たなりでの競馬を試みた騎手も多かった。レースはC.ルメール騎手のミルヴィオが出遅れ、岩田康誠騎手のテンクウノツバサが好スタートを決めたものの、控える競馬で行かない。
そして三浦皇成騎手のハーツアズワンがハナを狙おうと進出した外から、一気に先頭を奪ったのがC.デムーロ騎手のアクアテラリウム。横山武騎手のサンドレスは中団待機策を選択した。
しかし、ここからの流れが大きく結果に影響する。隊列に大きな変化もないまま迎えた1000m通過のラップは、なんと65秒4の超スロー。3コーナー付近でようやく異変に気付いた後続の騎手が慌てて追撃を始めるも、これだけ遅いと前の2頭もそう簡単には止まらない。
二の足を使った2頭がそのまま最終コーナーでも貯金を生かして粘り込みを図る。インを突いたサンドレスも懸命に追い上げたが3着まで。まんまと2頭に逃げ切りを許し、1番人気に応えることが出来なかった。
「動いた騎手と動かなかった騎手で明暗が分かれましたね。頭数が少ないからこそ出入りが少なくなるケースは珍しくありません。それでも前の馬を射程圏に入れていればよかったのですが、後手に回ってしまいました。
何しろ3ハロン目から13秒6-13秒7-13秒5があったように、道中は超がつくほどのスローペースです。いつでも動けるだけのチャンスがありました。それまでに何もしないまま、慌てて最後に追うのでは、判断が遅いといわれても仕方がないでしょう」(競馬記者)
エフフォーリアで26日の有馬記念を制した際、勝利騎手インタビューで前日の「油断騎乗疑惑」による騎乗停止について謝罪をした横山武騎手。このときは抜け出した後に追う動作を怠って差されたが、今回は前の馬を侮っての敗戦を喫した。
1番人気の立場で安易に動けない事情もあったのは確かだが、これからも油断のない騎乗を心掛ける必要がありそうだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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