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JRA池添謙一「有馬記念だけで種牡馬になれると」ブラストワンピース“史上初”の屈辱的結末…。瀬戸際の「ハービンジャー後継問題」を救うのは、あの大物馬主?

19日、2018年の有馬記念(G1)などを制したブラストワンピース(牡7歳、美浦・大竹正博厩舎)の引退が決まった。所属するシルクホースクラブの公式ホームページで発表され、今後は北海道のノーザンホースパークで乗馬となる見込みだ。
「有馬記念(の勝利)だけでも種牡馬になれると思っていました」
この発表を受け、かつて主戦を務めた池添謙一騎手が自身の公式インスタグラムを通じてそう語ったのも当然か。有馬記念といえば、言わずと知れた日本競馬を代表する国民的レース。その価値は今更語るまでもないだろう。
実際に2000年以降、有馬記念を制した牡馬はキタサンブラックを始め、サトノダイヤモンド、ゴールドアクター、オルフェーヴル、ゴールドシップ、ヴィクトワールピサ、マツリダゴッホ、ディープインパクト、ハーツクライ、ゼンノロブロイ、シンボリクリスエス、マンハッタンカフェ、テイエムオペラオーとすべて種牡馬入り。ブラストワンピースが種牡馬にならなかったことは、極めて異例と言えそうだ。
無論、引退した馬を種牡馬入りさせるか否かはオーナーサイドの自由であり、“外野”がどうこう言うことではない。ただ、今回の決定で大きく追い込まれた馬がいる。
ブラストワンピースの父ハービンジャーだ。
2010年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)を11馬身差という歴史的大差で圧勝し、鳴り物入りで日本へ輸入されたハービンジャー。社台スタリオンステーションで種牡馬入りし、1、2年目は目立った活躍ができなかったものの3年目の産駒ディアドラが秋華賞(G1)を制してG1初制覇を飾るなど産駒がブレイク。一躍、有力種牡馬の仲間入りを果たした。
その一方で今年、産駒がデビューして10年目を迎えたものの、未だ後継種牡馬は現れず……。最有力とみられていたブラストワンピースが種牡馬入りしなかったことは、血を残すことを使命とする種牡馬ハービンジャーにとって、この上ない痛手といえるだろう。
「うーん、おそらくで申し訳ないのですが、有馬記念を勝って引退しながらも種牡馬になれなかったのは、ブラストワンピースが初かもしれません。
実は、先日13日にも2017年のマイルCS(G1)を勝ったペルシアンナイトが現役を引退したものの、馬事公苑で乗馬になることが発表されたばかり。ブラストワンピース、ペルシアンナイトは現在ハービンジャー産駒の賞金ランキング1位と2位で、文字通りの代表産駒でした。
もちろん、他にも活躍した産駒はいますが、ノームコア、ディアドラ、モズカッチャンといったG1を勝った馬はすべて牝馬。昨年のリーディングサイヤーでも15位とまずまずの存在感を見せているハービンジャーですが、後継種牡馬の問題は深刻な局面を迎えたと言えるでしょう」(競馬記者)
そんなハービンジャーの後継筆頭だったブラストワンピースについては、池添騎手も「ダービー、菊花賞、大阪杯と自分が上手く乗れば勝ててたんじゃないかと…そうすれば種牡馬としての道があったのにと…申し訳ない気持ちでいっぱいです」(公式インスタグラムより)とやるせない様子。有馬記念に加えて、あと1つか2つでも大きな勲章があれば、相棒に種牡馬入りの道を残せたかもしれないと気遣っている。
いずれにせよ、後継問題で瀬戸際に追い込まれたハービンジャーに逆転の一手はあるのだろうか。昨年は2014年以来の産駒による重賞勝ちなしと苦しんでいるだけに、極めて難しい状況にも思えるが……。
「現状考えられる可能性があるとすれば、ニシノデイジーじゃないでしょうか。G1勝ちこそありませんが、札幌2歳S(G3)と東京スポーツ杯2歳S(G3)といった2つの重賞勝ちがあり、菊花賞(G1)では1番人気に推されたほどの逸材です。
何より、西山茂行オーナーが所有している点も大きいですね。ニシノデイジーは、ニシノフラワーやセイウンスカイといった西山ブランドの血を引く馬。オーナーの思い入れも強いでしょうし、将来的な種牡馬入りを考えていても不思議ではありません」(同)
かつては現役時代に引き取ったG1勝ちのないリーチザクラウンを種牡馬入りさせると、産駒の活躍によって社台スタリオンステーションへ“栄転”させた実績もある西山オーナー。窮地を迎えたハービンジャーの後継問題だが、思わぬ救いの手があるかもしれない。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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